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奈良

スペシャリスト2人が語る、伝統建築のこと。

藤塚光政 さてまずはここ、宮城さんのホームグラウンドでもある平等院の話から始めましょうか。鳳凰堂って、洲浜のせいか甲殻類が池に入っていくようにも見えるし、また翼廊と尾廊があるせいか、そのシルエットが鳳凰よりオスプレイのように見える。ほかにはない特殊な平面の建築だなと思いました。
宮城俊作 そうですね。ある意味で具象建築ですね。平等院は、遣唐使の廃止後、和様が独自の発展を遂げて形を成しつつあった時代

JUMP THE GUN JAPAN

 1992年にモッズファッション専門店として本場英国に誕生したジャンプザガン。オリジナルでイギリス製のテーラードスーツやカジュアルウェアを手がけ、世界中のモッズ好きから支持を集める。奈良に構える支店を任されているのは、イギリスをはじめヨーロッパで活躍するモッズバンド〈レ・カプチーノ〉のトミーさん。商品は7割が自社のもので、残りはトミーさんによるセレクト。イギリス製の革ベルトやモッズコンセプトのサイ

「茶の湯の本質は人が人と場を結ぶこと」と若き宗匠は言った。

東京オリンピックが2年後に迫り、日本を訪れる外国人観光客の勢いに衰える兆しはない。ちょっとワクワクザワザワした市中の気配に押されるように、僕らの気分は何だか「日本」に向かいつつある。そんな絶妙のタイミングで和の総合芸術である茶の湯の新ブランド〈茶論〉を立ち上げた茶人・木村宗慎に、現代の茶の湯について話を聞いた──。

木村宗慎 茶の湯は今、長らく続いた行儀作法や所作のお稽古事から

おぼこ人形

 日本一人口の少ない町、山梨県早川町。その最も奥に位置する奈良田の集落は、南アルプスの山々によって周囲から隔絶されてきた歴史があり、明治期までは、一番近い集落へ行くだけでも徒歩2時間以上かかっていました。そのため、この地域だけの独特の風習が残っており、言語も周辺とは異なる独特な方言を使う「言語島」となっているなど、「秘境中の秘境」として知られています。また、孝謙天皇が8年間湯治を行ったと伝えられ、

古いものの表情や、朽ちた美しい風合いを楽しむ。|前田征紀

 ファッションの枠にとどまらない多様なプロジェクトを展開する〈COSMIC WONDER〉の前田征紀さん。伝統的な手法を採り入れたり、素材にこだわった服作りをしてきた彼は、この数年、古いものに魅せられて集めているという。
「きっかけは古布でした。手紡ぎや手織りの布で気に入ったものがあると、これで何かできればいいなと思って少しずつ集めています。これは骨董屋で見つけたもので、赤御幣が描かれています。御

一本足たたら

 奈良と三重の県境に位置する大台ヶ原。日本有数の多雨な地域として知られ、とても緑が濃く、中でも大台ヶ原山は、豊かな生態系を保護するために山全体が国の特別天然記念物に指定されている名所です。そんな山には、恐ろしい「一本足たたら」という怪物の伝説が残っています。その昔、射場兵庫頭という猟の名手がいました。山中で彼の愛犬が突然けたたましく吠えだしたため、良い獲物でも見つけたか、と銃を撃つと、そこには熊笹

からくり玩具

 中山道六十七宿のちょうど真ん中、江戸からも京都からも34番目の宿場町である奈良井宿。難所である鳥居峠越えに備えて旅人たちがこぞって宿をとったため、多くの旅籠が立ち並び、「奈良井千軒」と呼ばれるほど栄えた場所です。現在は、国の重要伝統的建築物群保存地区に選定され、当時の街並みが保存された観光地として賑わっています。上質な木材が豊富な木曽の山間なだけに、曲げ物や漆器などの木工細工が盛んで、旅人たちの