日常の記録写真が膨らませるものは何か。|森 栄喜 散らかった部屋のベッドの上で。西日が差し込む駅前で。通りがかった夜の公園で。写真家・森栄喜が親しい友人やパートナーを1年間撮り続けた『intimacy』に写し出されているのは、なんてことはない、東京ではありふれた日常風景だ。にもかかわらず、我々がそこに息が詰まるほどの刹那を感じてしまうのはきっと、“社会の抑圧”や“作者の葛藤”などの言葉を並べ勝手に物語を見出そうとするからなのかもしれない。きらき