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「悪い子なんていねぐねえぞぉ」

 もう許せねえや、ふざけた態度をとりやがって。僕も結構悪い子だというのは認めるけど、あいつらはもっと悪い子なんだ。こらしめてやらなくちゃならねえ。僕の名前は、ブルーひらの助、木製の剣、チャンカイスペシャルでダイヤモンドも真っ二つ、青いヒラリーノスーツは虫除けにもなるんだ。今日もライオンのように大地を走り、象のように体当たり、右も左も真っ暗闇の世界を、眩しい世界に変えてやるのが、僕の使命です。

「その回転、 ゆっくりだけど飛んできた」

 回転しながら空を飛んできたピザは、頭にぶつかって地面に落ちた。すべてはスローモーションだった。生きるか死ぬかの瞬間は皆がそうなるらしい。祖父は死ぬ前、バッティングセンターで150キロの球を打ち返した。サラミの嘆きが聞こえ、チーズの苦しみが湧きでてきた。向こうから必死に走ってくるネズミを蹴散らして、わたしのピザだ と叫び、バラバラになったピースを集めて箱に戻した。今宵、焼き直して食べるんだ。

「注意している本人が撃沈する」

 世の中は恐ろしいことばかり。気を抜くと災難が襲いかかってきます。それが何処からやってくるのか、見当がつきません。ですから常に気を張っていなくてはならないのです。けれども、四六時中気を張っているのは疲れてしまいます。では、どこで気を抜けばいいのでしょう? 風呂場? 便所? 寝床? しかし、そのような場所にも危機は忍び足でやって来ます。まったくもってパラダイスなんてどこにあるのかしら? 教えて頂戴。

上出遼平と圡方宏史、ドキュメンタリーの名手が語る、究極のリアリティとは。

元少年兵、カルト教団、ギャングやマフィアの生活を追い、その食に迫る『ハイパーハードボイルドグルメリポート』。テレビ東京のディレクター・上出遼平さんは、自ら危険な場所に足を踏み入れ、彼らの姿をありのまま伝えた。一方、東海テレビの圡方宏史さんは、映画『さよならテレビ』で自らの職場であるテレビ局の報道部を撮った。2人の作品に共通するのは圧倒的なリアリティ。核心に迫るドキュメンタリー作品で観る人の価値観を

「消えた握り部分を前にして」

 俺のシャベルの握り部分はどこに消えちまったんだ。これで温泉を掘り当てるつもりだが、一ヶ月前、電信柱にぶつかって腕が折れちまったんで、少し休んでたんだ。それで現場に戻ってみたら、握り部分がすっぽり消えちまってんの。お前は、狼が握り部分を咥えて国道を走っていたとか言うけど、狼が握り部分を何に使うんだ? 骨と間違えたのか? もし本当なら、狼とっ捕まえて解体して、足の骨を削って握る部分にしてやる。

【話題の音楽】好きな女に「いい曲だよ」とソウルのレコードをプレゼントした男。志村けん

 志村けんがソウル・ミュージックの愛好者、という話は、いわば基礎知識なんだけれど、つい都市伝説みたいな口調で語ってしまうもののひとつ。

 志村がザ・ドリフターズの正式メンバーとして『8時だョ全員集合』に登場したのは1974年の3月。はじめてドリフのレコードに参加したのはそこから2年後、76年3月発売のシングル「ドリフのバイのバイのバイ」。およそヒップとは言えない素材(ここでは大正時代の俗謡)を

「南瓜を抱えて座りなさい」

 花道を歩くような人生ではありませんでした。泥道、いばらの道、裏街道を歩いてまいりました。けれども踏み外してドブに足を踏み入れるようなことは決して致しておりません。人を騙して金儲けをする奴等も見てきましたが、私は人の道だけは外れないように踏ん張ってきたのです。貴方はいかがかな? さあ、南瓜を抱えて、椅子に座りなさい、もし、脳天に南瓜が落ちてきたら、歩んできた人生が間違っていたということですから。

「あの山、おれの山だぞ」

 ひと山儲けてやろうと、この街に出てきた。山を越え、大河を渡り、シャベルを振りまわして大暴れ、騙されたり、騙したり、血を流したことも多々ある。俺のまわりに平和な時間なんてこれっぽっちも流れていなかった。ヴァイオレンス極まりないことが日々襲ってきた。狼みたいな男、猪みたいなガキ、蛇みたいな女、狸みたいなオヤジ、キリギリスみたいな婆さん、みんな俺の敵だったが、なんとかくぐり抜け山を手に入れたんだ。