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Mummenschanzの抽象身体。

70年代から活躍している、スイスのパフォーマンスグループMummenschanz(ムメンシャンツ)は、僕の映像作りに大きな影響を与えています。といっても子供の頃に、TVの情報番組で2つ3つ演目を観ただけ。それでも強烈な印象で、ずっと記憶で反芻していました。最近になってネット検索で映像を発見したのですが、やはり最高。その魅力は、シュールな身体性です。抽象的なシンプルな形状で生理感覚を喚起させる奇妙な

ハリネズミは可愛い。

古今東西で最も可愛いキャラは何だろう? 僕が偏愛するのはユーリ・ノルシュテイン監督「霧の中のハリネズミ(1975)」の主役ヨージックです。繊細な切り紙アニメの傑作で、深い霧の中を彷徨うヨージックが好きすぎて、中年男のくせに部屋にぬいぐるみまで飾っています。実物のハリネズミも背中の針がファンタジックで絵になる生き物。最近はペットとしてもひそかなブームで、飼い主がYouTubeにアップする映像も犬や猫

まるで美術館! 〈ジェントル・モンスター〉 でサングラス探し。

韓国のみならず、ハリウッドセレブも御用達のアイウェアブランド〈ジェントル・モンスター〉。ソウルには論峴や弘大などに路面店があるが、ショッピングするならぜひ2015年にオープンしたカロスキル店へ。取扱商品の多さはもちろんだが、カロスキル店ならではなのがその空間ディスプレイ。地下1階から4階まで展示されたアートワークはストーリー仕立てになっていて、サングラスを選びながら、物語を辿れるという仕組みだ。商

韓国クリエイティブシーンの最先端に触れる。

小さなショップやカフェが続々の梨泰院の路地裏に、韓国のクリエイティブ・エージェンシー〈エレファント・デザイン・カンパニー〉が移転。その事務所の下階にデザインやグラフィックの今を発信するショップ&カフェを開いた。店ではアートポスターや本、雑貨を通し、若手で面白いドメスティックなイラストレーターや写真家を広める。エディション付きポスターは安価で手に入れやすく、人気作は品切れになるほど。イケてるクリエ

極上の点滅映像。

20年前、ポケモンショックといわれる放送事故がありました。アニメ『ポケットモンスター』の攻撃シーンで、激しい光の点滅を観た児童が体調不良を訴え、全国で135人が入院する事態に。以来TV放送のガイドラインは厳しくなり、僕もCMを作る際には細心の注意を払っています。点滅の効果は強力かつ、危険と隣り合わせのスリリングな視覚体験なのです。そんな点滅映像の最高峰がRené Jodoin監督作「Rectang

裸体デモクラシー。

ヌードを芸術として描き、公の場で鑑賞するという文化が日本に入ってきたのは明治後期。美しい裸体表現は精神の美を表す手段であると考える西洋では、ヌードが絵画の重要ジャンルであり、宗教画の場面という言い訳でエロスとしてのヌードもたくさん描かれてきた。が、日本ではそういう西洋のヌードに触れるまで、エロスを描いた春画はあれど「裸体」ジャンルはなし。日本の裸体デモクラシーは意外と最近のことなのだ。明治中期に渡

死屍累々を描く。

「日本の戦争画を見る面白さのひとつは、もしかしたら世界でも一番、戦争画に向いていない民族がやろうとした、ということかもしれません」と会田誠は言う(講談社『戦争画とニッポン』)。作戦記録画と呼ばれた戦争画は、第二次世界大戦中に国家が描かせた、一種のプロパガンダ絵画。藤田嗣治のほか、小磯良平や宮本三郎ら多くの芸術家が従軍画家に召喚された。人体のダイナミズムを圧倒的写実性で表す戦争画は、西洋でいえば馬上