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盛岡

六月の鹿

 盛岡はスターバックスが中心部から撤退せざるを得なくなったほど、個人経営の喫茶店が人々に深く愛されている街だ。一関出身の熊谷拓哉さんが盛岡へ移り住むきっかけは、図書館で読んだ一冊の雑誌だった。
「そこに盛岡の〈機屋〉というコーヒー店が載っていて、見出しに“開店直前に2トンの豆を持っていた”と書いてあった。何だそれはと思ったんです。当時はコーヒーのことをぜんぜん知らないから、焙煎した状態の豆しか思い

DALVエYの折り畳み式ショットグラス|磯部太郎

 山でのお楽しみは何といっても夕暮れからのほろ酔いタイム。山行には必ず、スコッチと葉巻を携えます。高所で冷えた体をじんわりと温めてくれて、独特のピート香も山の気分にマッチするラフロイグの出番が多いかな。重宝しているのが、スコットランドのバグパイプメーカー、DALVEY社製の蛇腹式カップ。地元・盛岡で勤めていたバーのマスターにいただいたもので、折り畳むと懐中時計型の入れ物にすっぽり収まる優れもの。ウ

着るほどに育む布、ホームスパンを訪ねて。

 松浦弥太郎さんには憧れの服があった。志賀直哉、武者小路実篤といった白樺派のメンバーや濱田庄司、河井寛次郎など民藝運動の先人がこぞって愛した「ホームスパン」である。ホームスパンはスコットランドを発祥とする毛織物の一種で、ホーム(自宅)でスパン(糸を紡ぐ)することからその名がついた、ツイードの一種である。明治の初め頃に日本に伝わり、コートやジャケットなど主に外套用の高級素材として北海道や東北など寒冷