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中島

民藝酒房 SUZUBAR

 新宿で創業六十余年の老舗〈すずや〉(p.87)。2年前にメニューを一新し、品書きから「カツサンド」の名が消え、悲しんだファンも多いはずだ。が、そのカツサンドは、系列店のここ〈SUZUBAR〉で味わえる。当然、カツサンドの製法も〈すずや〉時代のままだ。特製ソース、パンに塗られた辛子の刺激とバターの風味がヒレカツを包み、それらが渾然一体となる。中島大渡店長が季節の野菜や果物で提案するカクテルの中から

自分の皮膚感覚、子宮感覚でモノを言ってきた。|湯川れい子

モダンジャズに誘ってくれた大学生の人と結婚したかったんですが、母には許してもらえないし、相手のお父様がお医者様で、彼は医大を受け直すためにデートもままならない。コンボに行くために有楽町駅のホームのベンチでいつも待ち合わせてました。1時間以上も待ってて。今みたいに携帯電話もない時代、やっと電車から転がるように降りてきたら靴を履いていなかったんです。「親父が下にいて見張ってるから2階の窓から逃げてきた

中島敦『山月記』の李徴

名前:中島敦『山月記』の李徴

病状:覚えず、自分は声を追うて走り出した。無我夢中で駈けて行く中に、何時しか途は山林に入り、しかも、知らぬ間に自分は左右の手で地を攫んで走っていた。

備考:中国の古典「人虎伝」を題材に、詩への執心と捨てきれぬ自尊心から、虎に変身してしまった男の運命を描く。1942年発表の短編で、著者代表作。新潮文庫/400円。

赤司農園の桃|東森俊二

 6月中旬に予約が始まると、瞬く間に完売する〈赤司農園〉の桃。大玉の川中島白桃と黄金桃を育てている。「赤司さんのこだわりは、桃がおいしくなったその瞬間にしか発送しないこと。“旬”とはこういうことかと驚かされます」。桃は数日でも早く枝からもぐと、柔らかくならず、味も薄まる。熟れて実が落ちるのを覚悟で、待って待って、今だ! という時に収穫する。ゆえに注文時に発送日時は指定できない。「ここの桃は香りも素

毎朝奏でる、シンプルで単純な作業。|中島ノブユキ

「カシャン」。中島ノブユキさんの朝の食卓に、バネが跳ねる優しい音が響く。奥さんが準備する目玉焼きの香ばしい香りがキッチンに立ちこめる頃、食卓では中島さんが長年愛用のポップアップトースターに食パンをセット。「この〈エレクトロラックス〉のトースターは、10年以上使い続けているもの。火力はずいぶん弱まり、調節ツマミはここ何年もMAXのまま。食パンを押し上げるバネの力もすっかりも弱々しくなって……。でもこ