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上海

ナイロビのコーヒー

高校時代、親元を離れて寮生活を送っていた。寮生の出身地は様々で、国内だと北は北海道、南は沖縄まで。親の仕事の都合で海外で育ち、ひとりで日本に戻り寮生活を送っている生徒も少なくなかった。そういった寮生たちのほとんどは、やってきた都市の名があだ名になっていて、ジャカルタ、ナイロビ、ロンドン、上海など、これらは全てクラスメートのあだ名だ。夏休みが終わると、それぞれに地元のお土産を配ったりする。隣の部屋の

まだ観てないのは、 まだ辿り着いていないから。| 町山智浩 (映画評論家)

「まだ観てない映画が思いつかない」とは、インタビュー依頼時の第一声だ。映画評論家としてメディアで紹介した作品は2000本を超え、飯田橋界隈での映画少年時代から米国在住のいままでに観た映画となれば、それ以上。そんな町山さんの「まだ観てない映画」は「まだ辿り着いていない映画」である。では、“辿り着く”とはどういうことなのか?

「もともとは、アクションやホラー、怪獣、SF映画ばかりを観ていました。途中

世界で活躍する日本人バーテンダーが考えたこれからのバーの形。

 バーの新時代到来を予感させる店が、今年6月、東京・渋谷に誕生した。オーナーは2006年ニューヨークへ渡り、12年に『バカルディ レガシー カクテルコンペティション』でアメリカ代表として世界一を獲得した後閑信吾さん。14年、上海にオープンしたバー〈Speak Low〉
は、『Asia's 5‌0 Best Bars』で3年連続トップ3に選出されている。日本が世界に誇るトップバーテンダー、満を持して

〈蔡菜食堂〉の 上海風茶碗蒸し

 上海出身のご主人・蔡才生さんが腕を振るう家常菜(家庭料理)の店。上海の昔ながらの家庭料理は決して食べ疲れせず、その味を慕い連日常連で賑わう。日替わりメニューが主体だが、常連がそっとリクエストするのがこの茶碗蒸し。「上海では子供のおやつや風邪をひいた時にもよく作ります。卵をたっぷりのスープで溶くのがポイントね」と蔡さん。卵2個に自家製鶏スープ1、水1の割合で加え、湯煎で蒸し上げる。味つけは少しの塩

チャイニーズガール、美的トラウマの波紋。

 自然引退したのか? と思われていたデイヴィッド・ボウイの一昨年の不意打ち的なアルバム・リリース(『ザ・ネクスト・デイ』)は嬉しい驚きでしたが、さらにリリース直前、リリース後と矢継ぎ早にネット配信されたPVにも驚かされました。特に「スターズ」における女優、ティルダ・スウィントンのあられもない胸はだけ演技に鬼気迫るものがあり、とんでもないものを見せられたと思わないでもなかったですが、彼女はポン・ジュ

手塚治虫の愛した店。

 アトムが生まれた町、高田馬場に店を構えて60年目を迎える〈一番飯店〉。ここでは手塚治虫が好きな具材だけで作ってほしいと頼み、執筆中によく食べていた特製上海焼きそばを味わえる。具材はリクエスト通りの鶏肉、エビ、アサリ、イカ、葉野菜、シイタケ、キクラゲ、フクロタケ。紹興酒の香りと素材の旨味が生きている。食べる時間も惜しんで描き続けた手塚はいつも1日1食で、それに合わせて一皿の量も多め。割り箸を使わな

馬場正道/アジアンヴィンテージ蒐集家

○掲載号/755号「尊敬できる『日用品』。」
○きっかけ/昔から音楽が大好きで、大学生時代は日本各地を放浪して珍しいレコードを集めていた。だけど、滞在にお金がかかることに気づき、物価が安い上海やジャカルタへ旅先をシフト。その結果、日本では決して出くわさない稀少なグッズを見つけ、のめり込んでいく。
○3足のわらじ/平日は普通に働く馬場さん。しかし週末や仕事が休みの日は〈スナック馬場〉の店主として、自