
菅原


詩人・菅原敏による、燃やすための詩集。
一枚一枚が、見知らぬ街へと連れてゆく切符のように。全20編(英訳付き)収録。燃やされる日を待ちながら、過去と未来の情景が静かに香る。〈mitosaya〉公式サイトで販売中。2,200円。

味わい深い歌声が心に沁みます。『前夜 ピチカート・ワン・ イン・パースン』PIZZICATO ONE

実証・1日で何軒制覇できる!? 福岡のはしご酒。
狭いエリアに多くの店がひしめく福岡。ゆえに1軒で終わることはほぼなく、2軒、3軒とはしごの旅が続く。近場に住んでいるから終電も気にしない。6月某日。この日のはしご酒はどこまで続くのか。追跡調査開始!

華麗なる太宰府天満宮。
太宰府天満宮といえば菅原道真公。学問の神様に、受験の神頼みに訪れる人は多いが、実は文化芸能の神様でもあることはあまり知られていない。年間1000万人の参拝者を誇る神社の、知られざる側面に注目する。
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太宰府天満宮の権宮司である西高辻信宏さんの交友関係は、とても華やかだ。それは、神社には「奉納」という考え方があり、古よりモノに限らず歌などの芸能が多く捧げられてきたことに由来する。「現代の神社

○と○
テーブルクロスの上に
ふたつの ○ と ○
ことの終わりには
ひとつの 。で十分なのに
果物みたいな酸味と
ほのかな苦味は
後から追いかけてくる
これまでの時間を
あつい黒でとかして
それでも寒空の下では
ふたりの息は白くて
5文字の言葉を
耳じゃなく舌で
静かに焼き付ける

【近日公開】『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』が待ち切れない。
世界中のジャズファンやオーディオマニアがこぞって詣でる聖地が、岩手県一関にある。〈ジャズ喫茶ベイシー〉。今年オープン50周年を迎えるこの老舗ジャズ喫茶に20世紀から通い詰め、ついにはドキュメンタリー映画を撮影してしまったバーのマスター、それが今日の主役の一人、星野哲也。そしてもう一人の主役はご存じ亀山千広。『踊る大捜査線』をはじめ数々のメガヒット映画を製作してきた大プロデューサーにして星野のバーの

はるなんてこい
はるよこい
はもう
おわったのさ
それでも
はるはこい
はやくこい
むかしこい
していたね
さよならが
次の季節を連れてきて
僕たちはまた
あたらしい街
自転車の
車輪で描く
いつかの日々を

台所は今日も雨
台所は今日も雨だったので
鍋やフライパンには たんたんたんと
雨粒が音を立てている
僕らは傘をさして
居間を目指して長い旅をしてきた
けれどソファはすでに占拠されていて
見知らぬ旗がたなびいていた
僕らは寝室を目指したが
そこはいつの間にか港で
僕らのベッドはすでに船出していた
家の中にもかかわらず
行く場所をなくしてしまった僕らは
今日もいつもの店で
茶匙と皿の 触れ合う音を聴いている

詩の証明
この言葉たちが
素晴らしい詩であることを証明する
簡単な方法をひとつ
このページに火をつけて燃やすこと
ほんの小さな暖かさと
どこかしら懐かしい香りがするなら
これはとても良い詩なはずで
もし言葉から黒煙が上がって
ごほごほあなたがむせこむようなら
早いところバケツで水をかけて
街へ出よう
春の香りはきっともう
すぐそこまで来ているから