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田渕智雄/清め塩マニア

「清めの塩って穢れを払うって意味があるんです。ちなみに相撲で土俵にまくのも清め塩。邪気を払って土俵を清めるという意味らしいです」と流暢に清め塩うんちくを語る田渕さん。実は彼、いつでも清め塩を2、3袋携帯しているんです。その理由は先ほどのうんちくとつながっていて……。「もともとすごい潔癖症なんです。だから街中のちょっと汚い場所や人が多い場所とかが苦手で。渋谷とか新宿とか、最悪ですよ。でも仕事柄そうい

かつて、カウンターカルチャーを担った詩人たち。

アメリカに端を発する、1950年代の後半にあった、ジャック・ケルアック、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ゲイリー・スナイダーなどの詩人を中心とした、ビート・ジェネレーション(現在の社会体制に反逆し、アートや文学で、人間性の解放を目指し、それに伴ったコミューン活動の総称)。それが日本で、狂乱の文化となったのは、10年後の60年代後半になる頃だ。

時を経ても色褪せない、ある活動家の遺稿。

日米安保条約改定やベトナム戦争激化のさなか。1970年、学生運動に没頭する若者たちが創業したのが〈模索舎〉だ。ゆえに社会主義やアナーキズムなどの政治・思想系の書物が棚を埋め、加えてサブカルチャー本や漫画、ミニコミやZINEも豊富に取り揃う。

共同運営者の榎本智至さんの2018年の一冊『[新版]黙って野たれ死ぬな』は1975年、29歳で焼身決起した船本洲治の遺稿集だ。「東京・山谷や大阪・釜ヶ崎で日

淡い連帯/喫茶店の守護神|平松洋子

 ほとんど毎日、住んでいる町のどこかの喫茶店に寄る。仕事の合間、休憩を兼ねて散歩に出るのが習慣なのだが、さて今日はどこに入ろうかと自分の気分を探りながら歩くのがまた楽しい。
「こんにちは」
「いらっしゃい」
 十年一日のごとく同じ挨拶だけれど、交わす一瞬の視線にぽっと灯りがともり、言外にお互いの元気を確かめ合う。でも、それ以上のことは何もない。マスターが淹れてくれる熱いコーヒーを相手に、ただぼんや

CAFÉる・ぽーる|中村有志

 6年前に新宿に引っ越すまで、28年間六本木界隈に住んでいた。お酒を飲む趣味がないので、行くところは喫茶店か本屋さんしかない。六本木にはいい喫茶店が何軒もあったけれど、28年の間に、どんどんなくなってしまって、ココが最後の砦。何がいいかといえば、タバコが吸えて、新聞が読める。それからアルバイトがいない。つまり出されるものがいつもちゃんとしているっていうこと。この店で台詞を覚え、原稿を書き、何時間も

レコード屋巡りしている時の休憩場所。|坂本慎太郎

 学生時代からレコードや楽器、本など、欲しいものがすべて揃う街といえば新宿でした。今は減ってしまいましたが、1980年代にはたくさんレコード屋が集まっていたので、よく一日がかりで回っていたんです。当時から、買い物の途中に〈らんぶる〉
に寄り、コーヒーを飲んでいました。地下1階へ下りるとすごく広くて天井も高い。とにかく居心地がいいからくつろげる。最近は暑い夏の時期、サクッと1杯だけビールを飲みに入り

COFFEE HALL くぐつ草|具志堅用高

〈くぐつ草〉は洞窟みたいに囲まれた雰囲気が好きなんだよね。吉祥寺でも古い喫茶店らしいね。ボコボコした土壁の模様がユニークでさ、ジャズもかかっているから夜なんかに来てもいいんだよな。オレが喫茶店に通い始めたのは、高校時代に石垣島から沖縄本島に出てきた時。パーラーって呼ばれる沖縄の喫茶店にはゴーヤチャンプルーとかご飯もあって、店内のインベーダーゲームもよくやったっけ。その時代、喫茶店にいる高校生は不良

大事なのは、役者の心を開くのではなく、まず自分自身を開くこと。

『東京奇譚集』に収録された村上春樹の短編を、松永大司監督が自らの脚本で映画化した『ハナレイ・ベイ』は、美しいハワイの風景の中、大切な息子を失った母の喪失感を静かに描いていく物語。もとは役者だった松永監督が憧れ、その作品やワークショップを通して演出法を吸収していった橋口亮輔監督に、まずはこの作品の感想から聞いた。