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岸田國士戯曲賞

ある加害者家族の物語は、果たして悲劇か、喜劇か?

第57回岸田國士戯曲賞受賞の作・演出家にして俳優、赤堀雅秋による監督2作目『葛城事件』は自身の舞台を映画化したもの。抑圧的な父と無差別殺傷の罪で死刑囚となった次男の関係を軸に、ある加害者家族の姿を見つめた衝撃作だ。次男に扮した舞台版と異なり、映画では温厚な長男を演じた新井浩文と赤堀が、この濃密な人間ドラマを語る。

演劇界に現れた恐れを知らない若者は80歳になる蜷川幸雄に勝負を仕掛ける。

年齢差はちょうど50歳。一昨年、藤田貴大が主宰するマームとジプシーの舞台『cocoon』を観た蜷川幸雄は、終演後に楽屋を訪ね、緊張する若き作・演出家に握手を求めた。以来、2人の交流は続き、来年2月には、藤田が書き下ろす新作を蜷川が演出する約束も控える。潔癖な審美眼でクリエイションを続けてきた大演出家と、2世代違いでありながら双子のような若手が企てる競作にして共同戦線とは——。

演劇界の奇才がこだわったのは読後の爽快感…?|松尾スズキ

 欲望と羞恥心、気遣いと業。それらがトグロを巻いて、絡んだり空回りしたり。劇作家・作家の松尾スズキさんが紡ぐ物語は、悲劇にも喜劇にも見える人間模様が描き出される。朝日新聞で連載していた最新小説『私はテレビに出たかった』も、強烈なキャラの持ち主が登場しながら、今回は「純粋なエンターテインメント」に初挑戦。純文学色が強かったこれまでの作風とは異なり、80代の新聞読者も喜ばせたという「笑いあり涙ありスリ