キーワード

京都

若冲や蕭白も憧れた、 スーパーフリーダムな禅画。| 白隠慧鶴

「むちゃくちゃだけど、うまくもないけど、ダイナミックで面白い絵を描く禅僧がいたらしい」と京都の奇想絵師も噂した。それが永遠の素人画家、白隠慧鶴という男。
 
絵師でも画僧でもない。15歳で出家し、後に500年に一人の名僧といわれた臨済宗の禅僧だ。伝統や技術を重んじる従来の禅宗絵画とは違う自由な「禅画」が生まれた江戸時代中期、ただただ禅の教えを広める手段として、1万点ともいわれる膨大な禅画を描いた。

狩野派きっての知的絵師は 奇妙なフォルムが好き!| 狩野山雪

幾何学的で秩序的な構図を好む知性派であり、エキセントリックかつ危なっかしいフォルムに惹かれてしまう特殊形状マニアでもある。それが狩野山雪という男。
 
狩野永徳の巨木表現を受け継ぐ狩野山楽に弟子入りした山雪は、自由奔放な師匠とは違うマニアックな資質を秘めていた。京都で多くの障壁画を残したが、中でもその鬱屈したキャラクターがくっきり表れているのが妙心寺天球院の金碧障壁画。エネルギッシュに伸びる梅の枝

なんと面妖な! 毒々しくも美しい原色奇想図鑑。| 曽我蕭白

グロテスクな色が目に痛い。悪趣味度は奇想8人衆の中でぶっちぎり。一般ウケする絵を描く気が全くなかったらしいファンキーな画家はしかし、抜群の技量でその毒々しい美の世界に人を巻き込んでいく。
 
京都に生まれ10代で天涯孤独になった蕭白は、やがて「我は曽我蛇足の子孫、蛇足十世」と宣言し、室町時代に始まる漢画の一派・曽我派を名乗った。中国故事を下敷きにした作品を得意としたが、超正統の水墨技術で異様な景色

そこまで凝る⁉ 過剰な美意識で描くファンタジー。| 伊藤若冲

絵が好きで好きでたまらないが、浮世の娯楽には無関心。18世紀京都で狩野派から宋元画までガシガシ学んだ伊藤若冲は、画業に専念すべく40歳で隠居した。モザイク画のような枡目描きなど独創的な絵はあまたあるが、濃密な色彩でしつこく細かくねっとりと描かれた、眩暈がしそうな花鳥図こそ奇想の名にふさわしい。例えば過剰な生気を振りまく《旭日鳳凰図》とか。
 
写実を重視し、庭に放った鶏数十羽を何年間も写生し続けた

令嬢、マドンナ、豊満美人。 女たちの美的競演。

性像には、画家たちの理想が詰まっている。俺/私こんな人が好きなんですよという、いわば自己紹介だ。だから、顔の造作やプロポーションはもちろんだが、色気と品のバランスや醸し出す雰囲気、ファッションセンスを見て、なるほど……と想像すると楽しい。例えば、「とろけるような、又、豊かな自然と、豊満な感じの女とがあらわれてさえいれば、私の要求は満たされたのです」という言葉が、どの女性を描いた画家のものかは一目瞭

釈迦から妖怪まで。

怖い妖しい美しい。異界の住人には、ただならぬ引力がある。釈迦や妖怪という、たぶん見たことのないものを描く際に、画家は先達の絵巻や仏画を参照し、想像力フル稼働で勝負した。だからアクも強いし圧も強い。見る者をひきずり込む強烈な魅力を放ちながら、「この人についていっちゃダメ」感も醸し出す。小川芋銭のほのぼのとした生き物は、よく見れば際どい容貌だし、人間の暗部という異界に生きるデロリな、つまり奇妙で濃密で

お前も侍の子じゃけん、覚悟せい。| 松本零士

私は福岡の久留米生まれの小倉育ち。父親は大刀洗の飛行第四戦隊の勤務で、陸軍航空隊の飛行機乗りでした。幼少期に明石に越して、そこに昭和18(1943)年まで。先祖の家が愛媛県の大洲市新谷にあって、19年から疎開しました。連日連夜B29の大編隊が宇和島の方から頭上を通って広島の方へ。原爆機も頭上を通ったはずです。機銃掃射を受けて爆弾を落とされる、空襲警報も味わいました。終戦の日は川で泳いでいて、「戦争

マンデリン

京都で20年、深煎り、ネルドリップを基本としながら、サードウェーブ以降のシーンでも存在感を示し続けるオオヤミノルさん(p.16)。豆選びからの全段階で独自の方法論を実践し“クラシック”をアップデートし続ける。日本の喫茶文化とも馴染みが深いマンデリンも透明感のあるきれいな味わいに。「中深煎りの香ばしさの中にマンゴーのような果実味とバニラやカラメルを思わせる甘味とコクが広がる」(加藤)。200g 1,

サンドラ・ミレーナ・ モラ“タビ”

店主・金子将浩さんが昨年11月に足を運び、生産者と交流したウィラ地区のサンドラ・ミレーナ・モラの農園で、ティピカ種、ブルボン種、ティモール種を交配させたタビ種に遭遇。各品種の良い特性を兼ね備えたテイストに惚れ込んで商品化し、今シーズンに初めてリリースとなった。「レモンやブラッドオレンジのような明るいシトラス感と、キャラメルのような甘い後味が特徴。気持ちの良い朝に、このコーヒーを飲んですっきり目覚め

エルソコロ

ロースターで店主の山本尚さんは、毎年、国際品評会『カップ・オブ・エクセレ
ンス』の審査員を務め、上位入賞豆を落札、スペシャルティコーヒーのトップ・オブ・トップを提供している。この銘柄は、イエローカトゥアイ種をウォッシュト精製、中煎りに仕上げたもの。「エルソコロは、常に高品質な豆を生産する、グアテマラで僕が最も好きな農園で、長く買い付けられているもの。味わいは、グリーンアップルをそのままかじったよう