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松浦

犬、まかふしぎな生き物

 人間にとって犬は、最も古くからの伴侶であり、かたい絆で結ばれた存在だった。

 犬はときに種を超えて、人間に無償の情愛を差し出してくれる。ホメロスの古代叙事詩『オデュッセイア』の時代にはすでに、ぼろぼろの身なりで帰還した男こそ、長年待ち続けた主人だとすぐに見抜く老犬アルゴスが描かれる。この揺るぎなき忠誠心に魅せられ、ひとは犬にまつわるあまたのテキストを書いてきた。

 犬と人間では、かなしいかな

変わらぬ遊び心と変わりゆく遊びの“術”。

 ボードゲームやカードゲーム、踊りやファッションといった子供の頃からの楽しみごとの数々は、時代とともに姿形や関わり方が変化しながらも、いくつになっても私たちを惹きつけ、夢中にさせる魅力がある。

 サントリー美術館で開催中の『遊びの流儀 遊楽図の系譜』は、そうした遊びや楽しみごとと暮らしの変遷や、いつの時代も変わらぬ遊び心の普遍性をリアルに実感することのできる展覧会だ。桃山時代・江戸時代を中心に、

宮根正人 | Ostü (代々木公園)

修業先の代官山〈アントニオ〉の求人を『ガテン』(肉体労働系の就職情報誌)で見つけたというエピソードに時代を感じる。イタリア修業は2、3年で数州を回るのが一般的だった当時、ピエモンテだけで5年を過ごした。「自分は器用なタイプじゃない」と、事あるごとに言うが、「一筋」のキャリアが武器に。2007年、ピエモンテ料理を主軸にした〈オストゥ〉をオープンし、郷土の味を根づかせてきた。仔牛のツナソース、アニョロ

マン・オン・ザ・フェンスをモチーフに、クリエイターがホテルの部屋を丸ごと作品化。

ポール・スチュアートの感性を表現するモチーフが、フェンスに腰かけたジェントルマンのイラスト。この通称“マン・オン・ザ・フェンス”を、国内外8人のクリエイターがそれぞれの視点で表現するアートイベントが、渋谷のマスタードホテルで開催。前夜には、参加クリエイターを交えたレセプションパーティが行われました。

 ホテル4階のワンフロアを借り切り、そのうち8部屋をクリエイターが1部屋ずつ丸ごと使って作品を制

若木信吾

「僕がお金の話? それは若い写真家の夢を奪わないように気をつけないとな(笑)」と、苦笑いの若木信吾さん。何をご謙遜。映画製作や出版社設立、書店経営など、写真家として第一線で活躍する傍ら新しいプロジェクトを立ち上げてきた若木さんは、クリエイターの憧れの的だ。
 2010年、故郷の浜松に開店した〈BOOKS AND PRINTS〉は、書店と喫茶、イベントスペースが融合した空間。普通の書店ではお目にかか

Green|週末の時間が好きになる環境を求めて。 どこにいても、庭と緑が感じられる家。

別荘地で知られる神奈川県葉山町。「EAT GOOD」をテーマに食と向き合い、〈麹町カフェ〉などを手がける松浦亜季さんは、4年ほど前、東京都心部の集合住宅から、ここ葉山の家に移り住んだ。決め手はグリーン、緑豊かな環境だった。

 1970年代に宅地開発された葉山町の山あいの一角。家は築42年の木造2階建てで、敷地北側の庭は、町が所有する里山へと直接つながっている。すぐそこに聳える、木々に覆われた崖の

見ることと、見つめること。|上田義彦

僕の部屋には、上田義彦さんの写真が、壁に掛けてある。屋久島の森の景色を撮影した「Materia」というシリーズの写真だ。確かそれは、屋久島の森を訪れて、最初に撮った写真であると上田義彦さんは話してくれた。毎日、朝起きた時と、夜寝る前にその写真を僕は見ている。見るたびに昨日と違った何かを発見し、はじめて見た時のような気持ちになる。そして、それが何かを自分の心のなかで思い耽る。そんなふうに写真はいつも

おいしいとは、上質とは。|ホルトハウス房子

『暮しの手帖』の仕事をはじめた時、僕はすぐにホルトハウス房子さんにお会いしたいと思っていた。ベストセラーになった『カレーの秘伝』『ホルトハウス房子 私のおもてなし料理』は、正統であること、上質であること、自分のスタイルを持つことを僕に教えてくれていた。
 いつも若々しく、チャーミングなホルトハウス房子さんから、ある日、料理と味についてこんなふうにお話しいただいた。
 食べている最中ではなく、食べ終

装うこと、エレガンスとは。|森 英恵

 森英恵さんから、以前、お話を聞く機会をいただいたことがある。その時、僕は、これからの時代を生きていくために、自分が立ち返るべき大切なものや、学ぶべきものをたくさん気付くことができた。
 今、日本人にとって大切なものは「ルーツ」であると森英恵さんはおっしゃった。日本古来の手仕事や暮らしを見直すことで学ぶ、日々の心持ちや、暮らしそのものの美しさは、これからの時代を支えていく新しい生き方のヒントになる