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江古田

昭和の気配が息づく店で 一滴入魂の一杯を出す。ネルドリップの探求者。

天井まで覆うファーの壁材、ロングカウンターにベルベットの深紅のチェア。見事なまでに“昭和のスナック”な内装を確信犯的に残し、大人が集うコーヒー店に生まれ変わらせた店主・茅根和司さん。建築設計の世界から転じ、学生時代から追い求めていたコーヒーの道へ。自家焙煎店を経てホテルニューオータニ東京の〈かふぇ ぺしゃわーる〉でネルドリップの腕を磨き、2017年5月に店をオープンした。「この方がコーヒーがおいし

僕は日活の1期生、一番の先輩なんだ。| 宍戸 錠

終戦後も疎開先の宮城県刈田郡にいて、高校は白石高校へ。近くにトロッコが走るようなレールがあって、それが当時の東北本線。かなり急な坂をレールが走っていてさ、学校の帰り道は東北本線の汽車から飛び降りていたよ。すると2㎞ぐらい歩かないといけないところを、15mくらいで家に帰れたんだ(笑)。最初だけは転んだけど、慣れたら一度もケガはしなかった。運動神経が良かったんだな。高校の1年か2年の頃に演劇部に入って

【蜜とは? そして、イカに飯とは?】渋谷で巡る辺境料理、ポルトガルからペルーへ。

「渋谷がいい。渋谷以外では食いたくない!」
 私がごねるので今回は渋谷で2軒、世界一周メシである。渋谷の文化村シアターコクーンで、かつて故中村勘三郎さん(当時勘九郎さん)に書き下ろした芝居の再演を一か月近くやっており、それが3時間を超える芝居で、いきなり「江古田にいきましょう」などと言われても身動きがとれないのだ。
「渋谷にも辺境料理はあります。どれほどでもあります」
 社長はいつだって頼もしい。

【美青年と混ざる世界】イスラエルとカンボジアを一晩で……。

 ミャンマー料理屋のインテリおかみに前回教わった、納豆にニンニクを混ぜ唐辛子をかけて混ぜちらかす、という食べ方、それは、ニンニクの臭さと納豆の臭さが殴り合いの喧嘩をした後に仲直りしたような、独特な風味であって、それにドはまりし、もはや、ニンニクなければ納豆は食わぬ、という境地に至った松尾は、今回も日本にいながら食で世界旅行をしております。
「次は、イスラエル料理を食べましょう」と社長は言う。
 イ

酒場と父親。|ホンマタカシ

 子供の頃、父親が酔っぱらうのを見るのが嫌だった。父親は商売を終えて夜、家のリビングでサントリーオールド(ダルマという愛称で呼ばれていた)のロックか水割りを飲むのが好きだった。別段、酔って暴れるとか絡んでくるというわけではなく、ただ1人でユックリと晩酌をしているだけだった。父親は顔が普通の人より長く、映画の斬られ役が集まった悪役商会のメンバーのようなちょっとドスがきいた顔をしていた。そんな父親の顔