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吉野源三郎

 第二次世界大戦中には発禁本だった『君たちはどう生きるか』が、初版から80年以上も読み継がれ、今また脚光を浴びるのは、著者・吉野源三郎にとっても、いろいろな意味で感慨深いだろう。言論弾圧が激しい時代に「混迷した時代を若者が生き抜くために」と書かれた本だけに、将来はこうした本が必要ない社会の実現を願っていたはず。なのに現代ではフェイクニュースが世論を作るポスト・トゥルースや反知性主義が到来して、今こ

俳優論。あるいは、なぜ亀岡拓次は役者ではなく俳優と呼ばれるのか?

「この俳優、どこかで見たことがあるけど、名前まではわからない……」。映画やドラマを見ていて、そうつぶやいた経験はないだろうか? 亀岡拓次とは、そんなどこにでもいる脇役俳優の一人。彼のうだつの上がらない人生をチャーミングに描いた映画『俳優 亀岡拓次』が公開中だ。そこで原作者の戌井昭人と監督の横浜聡子に語り合ってもらった。キーワードは、「俳優とは何か?」。

横浜聡子 ずっと気になっていたんですけど

あえて不安定なところに身を置く、それがカッコよさに繋がる。

 助監督として師事した阪本順治監督には、少し引いたスタンスで客観的に物事を見る冷静な態度や現場を牽引する力強さなど、映画作りを通して多くを学ばせてもらいました。また、日本映画界を背負っていくという気概を言動ではなく日頃の姿勢で示すところに器の大きさを感じます。岸部一徳さんは確固たる美学の持ち主。僕が“死”について質問した時も、臆することなく持論を述べてくださって、そうした意識の高さが色気に繋がって

フランス漫画界のエースに日本のオタクも脱帽!?

 プールで出会った女の子に惹かれる、主人公の心情の移り変わりを美しい色彩で描いた『塩素の味』で第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の新人賞に選ばれたBD(バンド・デシネ=フランス語圏の漫画)作家バスティアン・ヴィヴェス。幼い頃から日本の漫画やアニメに触れ続け、さらにフィギュアコレクターという顔も持つ。パリの自宅には、フィギュア(その数2000以上)専用のコレクションルームまであるという。
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