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貧困層

死にかけたアメリカを映し出す“普通の人たち”。| リン・ディン × 川上未映子

路上生活者、身体障害者、日雇い労働者、ドラッグ中毒者……。『アメリカ死にかけ物語』は、ベトナム生まれの詩人であり小説家のリン・ディン氏が、アメリカ各地を旅しながら、底辺に生きる者たちの声を拾い集めたエッセイ集だ。いわば“アメリカのB面”のドキュメントである同書が書かれた背景について、その日本版にエッセイを寄せた小説家の川上未映子氏を聞き手に迎え、リン氏に語ってもらった。

テーマ〈続々・アメリカ〉

やつい アメリカってマッチョ思想ですか?
宮沢 基本ね。
やつい ああいう人たちって、尋常じゃない量のサプリとか飲んでますよね。薬大国のイメージ。
宮沢 夜中のテレビで、やたら体を鍛える器具を宣伝しているじゃない? やたらと体を鍛えている。大抵ああいう器具はさ、ベッドの下に入るね。
やつい 片づけもできると(笑)。
宮沢 日本は基本、布団だよ。
やつい 「倒れるだけで腹筋、ワンダーコア〜」って宣伝

テーマ〈アメリカ〉

やつい アメリカって、保険高いんですよね?
宮沢 うん。貧困層は入れない。病気になったら大変だよ。昔、他人の保険証借りて病院行っているヤツとかいなかった?
やつい 最近でもいますよね。僕の知り合いには。この間、サッカーしようって集まったら、後輩が全然アクティブな動きをしないんで、どうしたのかと思ったら「僕は健康保険に入ってないから、ケガするわけにはいかない」って。
宮沢 やらなきゃいい(笑)。

ディストピア

 まるで悪夢のような未来像を描くのがディストピア作品だが、ある時期から未来は文明が発展した姿ではなく、退行し荒廃した姿をさらすことが多くなった。その先駆けが『マッドマックス2』('81)だろう。舞台は世界大戦によって文明が崩壊し、石油の涸渇した世界。凶悪な暴走族たちは死闘を繰り広げ、石油をめぐる争奪戦を展開する。モヒカン刈りに革の鎧、バイク姿で荒野を疾走するマッチョな男たちのイメージは、その後の映

テーマ〈続々々オリンピック〉

宮沢 2020年のオリンピックのときには、もう海外に行こうと思ってる。そろそろ予約しようかなと。夏は海外に行くよ、俺は。
やつい いや、宮沢さんに演出の話が来ちゃいますから、きっと。そうしたら昨年の公演『夏の終わりの妹』で使った真っすぐのレーンのような舞台で100m走やりましょうよ。ハードルもできますから(笑)。
宮沢 いや、断固海外に行くんだ(笑)。ハードルはね、高いですよ。高いと言えば、走り高

映画的な興奮と社会的な視点を兼ね備えた作品作りを目指して。

 2014年、地球は氷河期を迎え、人々は永久機関を持つ列車“スノーピアサー”に乗り込んだ。それから17年後。生き残った全人類を乗せた列車の中で、虐げられた貧困層による反乱が起きる。ポン・ジュノ監督による『スノーピアサー』は、閉ざされた列車という空間の内部で、人類が生き残りを懸けて凄惨な闘いを繰り広げる、まあ大袈裟に聞こえるかもしれないけど、数年に1本あるかどうかの優れたSFアクションだ。来日中のポ