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雑貨店

読書家6人が“古典”に見つけた、道なき時代の標。

 都会の窓から見えるのは不動のコンクリートばかりで、だから揺れているものを見たくてしょっちゅう散歩に出かけた。時に娘と、たいていはひとりで。目黒川の水面におどる春の光、次々と吹き出す桜の青葉、それらを揺さぶるつよい風。手に入れた感覚の宝ものをなんとか言葉に残したくて、家に帰りあわててパソコンを開いた時にはもう、光も葉も風も静止している。この部屋で動くのは、ゴムまりみたいに弾む3歳の娘だけ。

「宝

【新しい街、南天満】キタの隣町“天満村”に 開放的な風が吹く。

 北に大阪天満宮、東に造幣局を抱え、大川(旧淀川)右岸に沿って桜並木が続くこのあたり一帯を、古くからいる人は“天満村”と呼んできた。建築やデザイン事務所、町工場や住宅が混在し、のんびりとしていたこの村が、にわかに活気を帯びてきた。大阪キタの商業圏内にもかかわらず好物件が出るとあって、軍資金は少なくとも志は高い人たちが夢を叶えるべく集まってきたからだ。

 21年前、カフェ&雑貨〈dieci〉1号店

【古い町、昭和町】昭和初期からの長屋が残る町を、新しい世代が引き継ぐ。

 昭和4(1929)年、エリアの区画整理をする際に、当時の新しい元号だった昭和がつけられた昭和町。今、この近辺の動きが気になる。というのも、あべのハルカスを望むエリアでも大きな再開発が……ではなく逆。ここ数年、昭和町を中心に北は文の里から南は田辺まで徒歩15分圏内にある長屋や古民家を引き継ぐ新世代が続々と集まってきているから。いったいなぜ? その先駆けで、今から8年前に昭和初期築の長屋をリノベーシ

【話題の写真】新垣欣悟が写す、沖縄の若者たちと“今”。

 若者のポートレートが並ぶ、新垣欣悟さんの写真をSNSで見かけた。被写体の独特な顔立ちに、背景の建物や植物がヒントになって、沖縄で撮られていることがわかる。“地元”の匂いがいい感じに漂ってきて、惹き込まれてしまった。きっと、その空気に溶け込んだフォトグラファーに違いない。そんな印象を抱きつつ、連絡を取った。

「高校生の時にヒップホップに興味を持ったんです。アングラなカルチャーってなんてカッコいい

ハイブリッド

植物店の奥に広がる、ハイセンスな食卓。

・店主の武藤恭通さんは街の酒場から3ツ星レストランまで国内外で経験を積んだ実力派。
・バスク地方のシャルキュティエ、ピエール・オテイザ氏に師事したシャルキュトリも注目。
・手前のプラントショップ〈TRANSHIP〉には大型の観葉植物から小さな多肉植物まで。

スープ ガルビュール1,404円。料理でも使用している「純胡椒」などシェフのつながりでセレクトされ

TUMBLEWEED/アトリエみちくさ

「もともと若い世代に向けて、花を飾ったり贈ったりする慣習を、それも一つのカルチャーとして伝えていけたらという思いがあった」と話すオーナーの井本幸太郎さん。〈アトリエみちくさ〉は奥さんの絵美さんが2003年に立ち上げたフラワーショップ。当時印刷業界にいた幸太郎さんは奥さんの店舗運営に携わっていくなかで、活版印刷機を導入するなど、紙ならではの風合いを生かした自身のアートワークと花を一緒に提案する形を築

栄のど真ん中で1周200mの 空中散歩をのんびり楽しむ。

名古屋のシンボルタワー、名古屋テレビ塔に隣接する〈オアシス21〉は、水をたたえるガラスの大屋根と芝生広場、地下のイベント広場、ショップが一体となった「自然の風と光を取り入れる」がコンセプトの都市公園だ。なかでも、ガラス屋根の上面に薄いベールのように水が流れ、無数の光の波紋を描き出す〈オアシス21 水の宇宙船〉にはぜひ上ってみてほしい。広い青空の下、噴水の水の動きを目で追いながらのんびりと空中散歩し

あゆんだ道が、家となった。

フライフィッシングという、自身を森に同化させるような釣りに、大袈裟に言えば人生を捧げている松井慎一さんは、「必要最低限の家をつくりたかった」と言った。ずっと憧れていたのは、H・D・ソロー『ウォールデン 森の生活』に登場する湖畔に立つ小屋。ソローが自給自足で暮らした小屋と同じように、外壁にはレッドシダーの板を20日間かけて自ら張った。8×8mのシンプルな家は、土地の形に合わせて東を向き、デッキからは

かうひいや カファブンナ|門脇 麦

 喫茶店に行くようになったのは、仕事を始めてからですね。空き時間を利用して行くんですが、知らない街でも「喫茶店」で検索をして探してしまいます。なんか都会的なカフェみたいなところがあんまり好きじゃなくて。どちらかというと、漢字で「珈琲」と書いてあるような喫茶店が好き。
〈カファブンナ〉は、事務所の社長が30年以上通っていると言って、連れてきてもらったのがきっかけで行くようになったとっておきのお店なん