キーワード

シングルマザー

小野正嗣『九年前の祈り』の安藤さなえ

名前:小野正嗣『九年前の祈り』の安藤さなえ

病状:そのミミズは本物のミミズとちがって幼子のなかにあった感情や知性の土壌を豊かにしてはくれなかった。まったく逆だった。だからミミズが出てくるのを見ると恨みはつのった。

備考:引きちぎられたミミズのように大騒ぎする子を持て余すシングルマザーのさなえ。その胸にかつての言葉が蘇る。芥川賞受賞作。ほか3編を収録。講談社文庫/620円。

機能的なデザインの中に見え隠れするこだわり。

 エリザベスがここに住み始めたのは、完成から間もない1979年のこと。幼子を抱えたシングルマザーだったため、優先的にこの公営住宅に入居できたという。「当時はコンクリートが白く輝いていました」。通路の南側にあるこちらの棟はすべて4階建てで、彼女の住居は上の2階を占めるメゾネットだ。下の階が寝室など、上の階がリビングやキッチンになる。こちら側の棟はベランダが北向きだが、コミュニティガーデンを望む南向き

田舎に引っ込みたくない!

夫がリストラされて半年。新しい職が決まらず、私の収入だけで2人の子を育てるのも厳しく悩んでいたところ、田舎で自給自足の生活をしようと夫が言いだしました。田舎は絶対無理! なのに、夫も頑固で譲らず。貯金も底をついてきて辛いです。自分も価値観は譲れません。離婚の2文字が頭をよぎり悩んでいます。(販売員/35歳/女)

失われた過去に、いつまでもずっと、とらわれ続ける人々。

 現在36歳にして既に2度のアカデミー監督賞ノミネート歴を誇るジェイソン・ライトマンの新作『とらわれて夏』は、脱獄囚の男をかくまうことになったシングルマザーとその息子の一夏の物語だ。初めは怯えながら、食事をこしらえ、家や車の修理もこなすタフで優しい彼を、すぐに受け入れる2人。“父”の不在を埋めるように、2人は彼を慕い、心から愛するようになるが、一方の脱獄囚も彼らとの日々に、自らふいにした“家族”の