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いとうせいこう

町屋良平『1R1分34秒』のぼく

名前:町屋良平『1R1分34秒』のぼく

症状:なにがわかる。おまえになにが?(中略)ワンツーを打てないボクサーのなにが? いつまでも右ストレートに脅威のないボクサーでいるぐらいなら、死んだほうがいい。

備考:自分の弱さ、その人生に厭きていたプロボクサーの主人公。駆け出しのトレーナーとの日々が心身を、世界を変えていく。2019年、芥川賞受賞作。新潮社/1,200円。

古市憲寿『平成くん、さようなら』の平成くん

名前:古市憲寿『平成くん、さようなら』の平成くん

症状:平成が終わった瞬間から、僕は間違いなく古い人間になってしまう。(中略)時代を背負った人間は、必ず古くなっちゃうんだよ。

備考:平成の終わりとともに安楽死を望む主人公と、それを受け入れられない恋人。2人の関係を通して、生きること、死ぬことの意味を問う。文藝春秋/1,400円。

小川洋子『薬指の標本』のわたし

名前:小川洋子『薬指の標本』のわたし

症状:彼のまわりにも、まだたくさん活字が残っていた。彼の足元でわたしは、無防備な小動物になってしまったような気分だった。

備考:飼っていた文鳥の骨、楽譜に書かれた音、やけどの跡など、思い出の品々が持ち込まれる標本室。その主とわたしの静かで奇妙な愛の情景を描く。新潮文庫/430円。

小川洋子『ひよこホテル』の男

名前:小川洋子『ひよこホテル』の男

症状:「しかし男はこうした思いのあれこれを、少女に向かって言葉にはしなかった。返事がもらえないからではなく、お互い喋らないでいる方が平等だ、という気がしたからだ。

備考:表題の『海』や『ひよこホテル』など、少し歪だが静謐で温かな物語たち7編をまとめた短編集。収録作品に関する著者インタビューも収録。新潮文庫/430円。

ダウンタウンが笑いをマットーにしましたね。|みうらじゅん

少年期、関西で見て育ったのは、現在のお笑いとは一味も二味も違うじわじわパンチが効いてくるブルース系の漫才だったんです。例えば、夢路いとし・喜味こいしさんが得意とした「うちの細君がね……」って、いっつも決まって嫁はんネタに持っていくパターンもブルースの3コードの一つで、小学生にしたら嫁の悪口の話なんてピンとこないんだけど「また出た!」っていう、親戚のおじさんが酔った時の十八番の歌みたいな感じがなんと

思い出の地、東京・表参道で特別展を開催。

 1980年代アメリカ。アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアらと共にアメリカンアートを盛り上げた人物が、キース・ヘリングだ。彼の活動は、80年にニューヨークの地下鉄構内の広告板に絵を描く、サブウェイ・ドローイングから始まる。シンプルな線と色で描かれたイラストで脚光を浴び、その後90年に亡くなるまで、絵画や彫刻、アニメーション、レコードカバーなど数多くの作品を残した。
 83年に初来日し

いとうせいこう「鼻に挟み撃ち」の(自分が鼻だと自覚している) 私

名前:いとうせいこう「鼻に挟み撃ち」の
(自分が鼻だと自覚している) 私

病状:マスク男の話を聞くうち、ああ私こそが彼の鼻だと私には突然、了解されたのだった。

備考:街頭で演説をするマスク男と、それを聞く「鼻」の私。ゴーゴリや後藤明生を引用しながら構築されるマジックリアリズム。2014年芥川賞候補作。集英社/1,200円。

ご飯が進む、おいしい小説グランプリ。鈴木めぐみ × マッキー牧元

スイーツから立ち飲みまで、オールジャンルで美食を追求し続けるタベアルキスト、マッキー牧元さんにとって、小説だってれっきとした食探求の場。今回は「食の本」を選ぶプロ、鈴木めぐみシェフが供する「おいしい小説フルコース」を食べにやってきた。果たしてお味はいかに? いざ実食!

テーマ〈続々・集団的〉

宮沢 高校生の時、キャンプに行ったんだよ。川っぷちにテントを張るのにすごく苦労していたら、そこに自衛隊が来たの。何をやるのも速いんだ、自衛隊。テント張るのも速いし、飯盒炊爨なんて、ガソリンで火をつけて、ものすごい速さで炊いちゃう。
やつい 火をおこさないんですね。
宮沢 それで思い出した。竹中(直人)が海でボートを友達と漕いでたら、どんどん沖に流されて怖くなっちゃって。そこに海上自衛隊の船が来て、