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劇作家が語る、これからの日本と演劇。|平田オリザ

 平田オリザさんは、著書の中で日本の現状を“坂道”と表現する。そんな坂道を緩やかにする一つの方法に、演劇があるのかもしれない。「演劇で日本は変わらないけど、体質を改善する漢方薬みたいな役割はあるかもしれない。ヨーロッパでは、就職支援の一つとして演劇やダンスのワークショップを取り入れている自治体があるんです。人を楽しませることを楽しむ。マインドから変えていく。日本ではまだ行われているところはないから

『仁義なき戦い』を手がけた伝説の男と、実録映画の後継者が対面。

 北海道警察の現役刑事が、覚醒剤に溺れ、悪事の限りを尽くした驚愕の実話。『日本で一番悪い奴ら』は、そんな日本の警察史上最大の不祥事といわれる事件を、綾野剛主演で映画化したピカレスクロマンだ。
 前作『凶悪』に続き、再び実録映画を手がけた白石和彌監督が、この日やってきたのは京都。『仁義なき戦い』シリーズなど、映画史に残る実録映画を生み出した伝説のプロデューサー、日下部五朗を表敬訪問するためだ。
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ある加害者家族の物語は、果たして悲劇か、喜劇か?

第57回岸田國士戯曲賞受賞の作・演出家にして俳優、赤堀雅秋による監督2作目『葛城事件』は自身の舞台を映画化したもの。抑圧的な父と無差別殺傷の罪で死刑囚となった次男の関係を軸に、ある加害者家族の姿を見つめた衝撃作だ。次男に扮した舞台版と異なり、映画では温厚な長男を演じた新井浩文と赤堀が、この濃密な人間ドラマを語る。

五感に刺激を与える、2016年版『マクベス』。|野村萬斎

 シェイクスピア没後400年という節目の今年、野村萬斎が演出を務める『マクベス』の、4度目の公演が始まる。今回はマクベス夫人に鈴木砂羽を、音楽監修に藤原道山を迎えるなど新しい試みも取り入れられている。「『マクベス』は森羅万象対人間という宇宙的な視点を持っていますが、生の和楽器の音色の深みから、宇宙が感じられると思うんです。打楽器の音が一発響いて、弦の音に緊張感を感じる。人間同士の呼吸によって生まれ

世界中が注目する伝説のDJが新作を発表!|ANDREW WEATHERALL

 プロデュースを手がけたプライマル・スクリーム『スクリーマデリカ』(1991年)ではロックとテクノを融合、ビョークやニューオーダーのリミックスではハウスビートにレゲエのフィーリングを。誰も聴いたことがない音楽を作り続けるウェザオールなしに、90年代以降のUKロックは語れない。新作の制作中、居眠りしているワケではありません。「最近は自分で歌うから歌詞を書いているんだ。週に1冊は本を読むから、なにかい

欲しいもののなかから、直感で買う。|土田貴宏

見つからないというより、欲しいものからどれを選ぶかに悩むことの方が多いですね。まず直感で惹かれる、手に入れてからその良さがわかってくる。結果、ものの姿形に表れた作り手の思想に共感できる、親近感を感じるものが集まってきます。ただし感覚でものを選ぶので、いつの間にか身の回りが雑多になってしまうのが反省点ですね。

原田知世が歌う、穏やかなスタンダード。|原田知世

 丁寧に練り上げられたアレンジと、優しい歌声。昨年、5年ぶりに発表した『noon moon』に続き、間髪入れずにカバー集『恋愛小説』を発表する原田知世さん。「昨年、ご一緒したバンドのメンバーが素晴らしかったので、早く新作が作りたい気持ちでいました。スタンダードからジャズまで、ゆっくり聴いていただきたい作品です」

フランス人がムーミン映画を作ったわけ。|グザヴィエ・ピカルド

 ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンの生誕100周年を記念して製作された映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』。日本ではよく知られているが、フランスでの知名度は皆無らしく、本作を手がけたフランス人のグザヴィエ・ピカルド監督も最近までムーミンの存在を知らなかったという。「実はムーミンに出会ったのは、日本においてなのです。たまたま仕事で訪れた時に、日本版のアニメを見て知りました。あの出会

ステージでじっくり聴かせる、私とピアノ。|中納良恵

 実に7年ぶりとなるセカンドソロアルバム『窓景』を発表した中納良恵。ボーカルを務めるエゴ・ラッピンとの最大の違いは、その演奏スタイルにある。「私はピアノを弾きながら作曲するんですが、中には“エゴ用ではないな”と思う曲もあるんです。それが7年の間にアルバム1枚分溜まった感じかな。ソロのステージでは、基本的にピアノを弾きながら歌います。みなさんにお聴かせできるよう、猛練習を重ねましたが、それなら定期的

演劇界の奇才がこだわったのは読後の爽快感…?|松尾スズキ

 欲望と羞恥心、気遣いと業。それらがトグロを巻いて、絡んだり空回りしたり。劇作家・作家の松尾スズキさんが紡ぐ物語は、悲劇にも喜劇にも見える人間模様が描き出される。朝日新聞で連載していた最新小説『私はテレビに出たかった』も、強烈なキャラの持ち主が登場しながら、今回は「純粋なエンターテインメント」に初挑戦。純文学色が強かったこれまでの作風とは異なり、80代の新聞読者も喜ばせたという「笑いあり涙ありスリ