キーワード

ONE

独自の哲学とスタイルで時代を率いた者から見習うべきは、スケールの大きい視野で世界を見る方法。

 U2は昔から大好きで、1990年代にアメリカ・ピッツバーグでのコンサートに行ったこともあります。その翌日、アンディ・ウォーホルの美術館に行くと、たまたまボノにサインをもらえることになり、売店で急いでハガキを買って渡したのですが、とても気の利いた落書きをしたサインをくれました。そんな彼の機転の良さに強い印象を受けたのをよく覚えています。U2そして特にボノは、音楽だけの活動ではなく、One.orgや

209(1871)

この椅子がしばしば“コルビュジエ・チェア”と呼ばれるのは、モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエが高く評価して、私的な空間や自作の建築で使っていたから。デザインしたのはミヒャエル・トーネットの息子のアウグスト・トーネットとされる。基本的な構造は214を踏襲しているが、アームを加えたことで快適さが増し、曲げ木のオーガニックな曲線美もいっそう映えている。

214(1859)

木の椅子の歴史において、最もたくさん製造され、最もたくさんの人々から愛されたのはおそらくこの椅子。そして最もたくさんコピーされた椅子かもしれない。ミヒャエル・トーネットが1859年に発表したNo.14、現在の214は工場で量産された最初の椅子として知られる。この椅子が革新的だったのは、蒸気で熱して軟らかくしたブナ材を金属の型にはめて成形する曲げ木技術によって、主要なパーツを製造したこと。6点の木の

MINI ONE

 3世代目に突入したニューミニに待望のベーシックグレードのワンが追加されました。先代に比べ馬力(102ps)やトルク(180Nm)はアップしつつも、排気量は1.2ℓへとダウンサイジング。一方、ボディは遂に3ナンバーサイズと大きくなりましたが、車体は軽くなり燃費が良い点も見逃せません。もちろん、上級グレード(クーパー、クーパーS)と比べれば豪華さでは一歩譲ります。ですが、これもLEDヘッドライトや大

スパイクと川内倫子の接点が創り出すもの。|スパイク・ジョーンズ

 目に見えない相手に恋をしてしまった男性の想いは、スクリーンのこちら側に確実な痛みとして伝わってくる。「『her/世界でひとつの彼女』はラブストーリーなので、川内倫子さんの自然で女性的な資質を取り入れたかった。撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマと組んだのも、倫子さんの写真が持つ繊細さと同じものを彼に感じたから」。対談中に2人で一緒に写真を撮り、iPhoneでヴァン・ホイテマに送信していた。「彼は今

自らを表現する新たなフィールドとの出会い。

 ハリウッド映画がつまらなくなったと感じているなら、それはたぶん、気のせいじゃない。最近のメジャースタジオは、続編やスピンオフで長年にわたり利益を生み出し続けるフランチャイズ映画に重点を置いてしまっている。これらの企画は莫大な収益をもたらす現代の金鉱だが、なにしろコストがかかる。スタジオは年間製作本数を減らしてリスクを回避しているため、中規模の野心作がなかなか実現しづらいのだ。
 若者向けのアメコ

日常の記録写真が膨らませるものは何か。|森 栄喜

 散らかった部屋のベッドの上で。西日が差し込む駅前で。通りがかった夜の公園で。写真家・森栄喜が親しい友人やパートナーを1年間撮り続けた『intimacy』に写し出されているのは、なんてことはない、東京ではありふれた日常風景だ。にもかかわらず、我々がそこに息が詰まるほどの刹那を感じてしまうのはきっと、“社会の抑圧”や“作者の葛藤”などの言葉を並べ勝手に物語を見出そうとするからなのかもしれない。きらき