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深い森

思わず吠えたくなる、ワンワン映画を数本。

 本誌前号で紹介されていた、マイラ・カルマン『たいせつなきみ 犬が教えてくれたこと』(吉田実香+D・インバー訳/創元社)は、犬好きが飛びつきたくなる本で売れ行き好調とのこと。それに乗じて本コラムでは、余計なお世話だろうが、犬になにかしら教えられたような気になった、思わず画面にワンと叫びたくなった、ここ1、2年の映画を何本かあげてみることにする。ワン。
 いやあ、驚いた、作品の出来が予想をはるかに超

Solstice Wood(2017)|ジャック・ホイヤー

 木々のある景色が描かれているだけで、写実的ね、うまいね、でも退屈
……。そんな一枚でしょうか。まさに、真っ向勝負で挑んだ風景画と言えそうですが、眺めているとなんだか不思議な感覚にとらわれ始めます。森の中に一人佇んでいる“私”を想像して絵を見てください(小さいですが!)。視点の高さからすると、立っているはずです。でも、ここで何をしているのでしょう。散歩の途中でしょうか、それとも深い森の中へ迷い込ん

閉鎖

 城壁によって外部と隔絶され、閉鎖された状況下で繰り広げられるアクションやサスペンス。『進撃の巨人』の醍醐味はここにもある。
 外からやってくる敵を侍たちが村で迎え撃つ『七人の侍』('54)は、スティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスらにも影響を与えた日本映画の金字塔。堀と柵によって野武士の侵入を防ぎ、要塞化した村で敵を撃退する奇襲作戦の数々は、迫力ある斬新なアクションシーンを生み出した。

VAN+BIKE CAMPING

 2台の自転車を載せたクロームイエローの「Volvagon」ワゴンが、大自然に囲まれた田舎道を太平洋へ向けひた走る。ミノとディーンのカップルが乗った車が目指すのは、オレゴン・コーストの北部に位置するケープ・ルックアウト州立公園キャンプ場。西海岸で最も美しい海岸と称されるオレゴン・コーストは、薄い霧に包まれたような岩場、荒波が打ち寄せる岬、そしてどこまでも歩いていけそうな遠浅の砂浜と、いくつもの表情