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初代〈みんぱく〉館長によるアナログ時代の情報整理術とは? |梅棹忠夫

 今年は日本万国博覧会(EXPO'70)が開催されてからちょうど50周年にあたる。当時のパビリオンのほとんどは姿を消したが、万博の精神を21世紀に継承する施設といえば、閉幕後、新たに創設された〈国立民族学博物館(みんぱく)〉だろう。

 みんぱくの初代館長だった梅棹忠夫(1920~2010)は大阪万博にも深く関わっている。「太陽の塔」の地下部分のテーマ展示「いのり」の天井には、当時京都大学教授だっ

名古屋という名の小宇宙。文・吉川トリコ

昔から言われていることだが、名古屋の子どもは名古屋の外に出ない。「名古屋の外に出る」という発想そのものがすこんと抜け落ちている。私の出身高校はそこそこの進学校だったのだが、大半は地元の大学に進学し、中には東京や関西の大学に進学する子もいないでもなかったけれど何年かするとそのほとんどが戻ってきた。就職試験の際、名古屋の企業は地元出身の人間を優遇すると聞いたこともある。
 
まわりを見渡せば、地元で進

お願い狛犬

 愛知県瀬戸市にある深川神社には、瀬戸の焼き物の祖である陶祖・加藤四郎左衛門景正を祀る「陶彦社」があります。加藤四郎左衛門は、もともと京都市南部で土器作りをしていましたが、高麗の焼き物を収集して焼成法を研究した後、道元禅師に随行して宋に渡り、製陶の秘術を学びました。帰国後は、焼き物に適した良質な粘土を探し求めて全国行脚し、その旅の途中に立ち寄った深川神社で「神社より巽の方角、祖母懐の地に良土がある

独自路線で深まる、 西のイタリアン。| 関西

ホルモンが好きなのは、イタリアで「トリッパ食い」といわれるトスカーナ人だけじゃない。ホルモンに限らず関西では、食の都を彩る花形素材たち、瀬戸内の高級魚、京野菜、そして完璧な猟法のジビエなどは、持ち前のアグレッシブな関西人気質で、昔から当然のごとくイタリアンに取り入れられ、進化してきた。
 
中でも今、話題なのが尾崎牛ホルモンが武器の〈パヤータ・ローザネーラ〉。特殊な例外を除き、一般には入手不可だっ

最初に感動していたことが 日常になって見えるもの。

10年修業組が帰国の兆しを見せた先駆けは〈オルトレヴィーノ〉である。食材、惣菜、ワインが買えて、バールもリストランテも地続きのエノガストロノミア。イタリアの街場にある、しかし日本では見慣れないこの形態を鎌倉へ持ち込み、今年で10年目を迎えた。
 
シェフの古澤一記さんは「料理もワインも同等に、高い次元で修得する」ため、イタリアで必要な経験を逆算。最初は料理人としてシェフも務め、次に3ツ星〈エノテー

SUiU

〈SUiU〉とは翠雨、青葉に降り注ぐ雨のこと。「命の源となる雨のように、植物の力で生活の潤いを提案したい」と店主の辻本知範さん。会社員時代に花の魅力に気づき、転身してパリへ。心引かれる店でのインターンシップを皮切りに、フローリストとしてのキャリアを重ねてきた。帰国して構えたのは、店名を表したような、しっとり落ち着いた緑の空間。パリでの経験に加え、子供の頃から続く趣味の油絵で培った色使いは独特。花は