キーワード

彫刻家

DAY3:美術館をめぐり歩き 札幌のヘソに戻る。

彫刻家のモダンな自邸を、故人の気配さえ残し美術館へ転生させた 

〈本郷新記念札幌彫刻美術館〉 は、アートと建築の関係がすこぶるフェアだ。ハンバーガーでいったらパテとバンズの関係というか、作品と箱、どちらが勝るでも劣るでもなく等身大の潔い空間を保っている。じっくり作品を味わえたのもきっとそのせいだ。「街で本郷のブロンズはよく目にしていたけれど、石膏原型を観ると感じ取れるものが飛躍的に増えるね」と感

金属を自在に操る彫刻家。

1915年イタリア生まれ。15歳の時にアメリカに移住し、デトロイトで学んだ後、クランブルック美術大学の金属工房でジュエリーや金工を教えた。43年から、同校で知り合ったイームズ夫妻のデザインスタジオの一員として、成形合板やワイヤーを用いた椅子の開発で重要な役割を果たす。52年、フローレンス・ノルに依頼され、〈ノル〉のためにワイヤー製の家具シリーズを発表。大ヒット商品となるが、以降は彫刻家としての活動

〈ハーマンミラー〉第4の男。

1904年ロサンゼルス生まれ。日本やアメリカなどで過ごし、30年代から抽象彫刻や舞台美術を手がけた。ジョージ・ネルソンは、ノグチが妹の誕生日のために制作したテーブルを見たのをきっかけに、彼を〈ハーマンミラー〉のデザイナーとして起用することを決めたという。またノグチはイームズ夫妻とも交流があり、夫婦でイームズの自宅を訪れ、食事する写真が残っている。世界的な彫刻家として大成していったノグチだが、そのデ

禅と庭のミュージアム

広島県の東の端、瀬戸内海に面した福山市の深い山間にある〈神勝禅寺〉は、1965年に誕生した建仁寺派の禅寺。この一角に今秋、彫刻家の名和晃平と、彼が率いるクリエイティブプラットフォーム〈SANDWICH〉が手がけたアートパビリオン「洸庭」が完成した。表面を覆うのは伝統的なこけら葺き。有機的な形が船を思わせる。内部では名和とヴィジュアルデザインスタジオ〈WOW〉によるインスタレーションを展示。暗闇に一

二週間に一度の身だしなみ|松浦弥太郎

「さわりたくなる、いい髪型ですね」。はじめて会った女性にこう言われてドキッとした。
「どうってことのないただの七三です……」と照れながら答えた。
「とても清潔感があります」と女性は静かに微笑んだ。
 心の中で僕は、「さすが米倉さん」とつぶやいた。ほめられたのは僕ではなく、僕の髪を切ってくれている、理容師の米倉満さんの仕事であると知っているからだ。
 100年の歴史を持つ、銀座の『理容米倉』で髪を切

木彫り熊と共に生きたアイヌ彫刻家が、その目に映してきたもの。

 鮭をくわえた“木彫り熊”を見たことがない日本人は、ある年齢より上の世代にはいないのではないか。1960〜70年代の北海道ブームは、現在では信じられないほど高まって、阿寒湖のアイヌコタン(集落)が、まるで原宿の竹下通りのようにヒップな若者たちで埋め尽くされていたという。
 現在、札幌芸術の森美術館で回顧展が行われている彫刻家、藤戸竹喜は、木彫り熊の黎明期から、爆発的な人気を博し、衰退していく過程を

動物の感じ方は自由でいい。自分なりの動物像を持つこと。|三沢厚彦

 熊は森で一番強い動物でカッコいい、かつ愛らしい。物語や寓話にもよく登場するが、本当の熊の気持ちは誰にもわからないだろう。
 僕は動物モチーフの彫刻を作品としているが、制作の際は実際の動物はあえて見ないようにしている。“動物”をつくっているのではなく、あるリアリティを持った“彫刻”をつくっているから。
 図鑑のデータや写真などの資料を基に、サイズだけは実物に忠実に、その後は自分の中での熊像をつくり