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陶芸家

ジャン・ジレル

馬や羊が草を食み、ロマネスク教会が佇むブルゴーニュ地方の小村に、アジアの秘宝「曜変天目」を探求し続ける陶芸家、ジャン・ジレルさんと妻のヴァレリー・エルマンさんが住まう。

「ここは、昔から煉瓦作りをしていた土地。まずはこの環境を見てほしい」と、丘陵を見晴らすテラスでジレルさんは言う。鉄分の多い煉瓦の材料の赤土と粘性の高い黄土に恵まれ、豊富な湧き水を湛える井戸もすぐそばに。森林整備も兼ねて、裏山の豊

九代 長江惣吉

杭州で曜変天目の破片が見つかった、あるいは8Kで国宝の曜変天目を撮影する。そんな機会に必ず現場へ呼ばれるのが、長江惣吉さんだ。江戸時代には原料土の採掘を行い、明治以降は窯屋を営んできた家に生まれ、曜変天目の再現を追い求めた父、八代長江惣吉の死後、32歳の時に「やむを得ず」その志と研究を引き継ぐことになった。ただし、先代は研究資料を残しておらず、実のところ引き継げるものはほとんどないに等しかったとい

曜変天目、はじめの一歩。 Q&Aで学ぶ基礎知識。

A:宋の建窯で焼かれた、斑文と光彩を持つ黒釉茶碗。

歴史の中で「曜変」の名を与えられてきた茶碗は3つだけではない。なるほど、見た目がキラキラしたものもあれば、錚々たる美術館の所蔵品もある。それらと、国宝の3碗は何が違うのか。「厳密に定義するなら、国宝に指定された曜変天目3碗に共通する条件すべてが揃わないと、曜変天目と言えない」と小林さん。「①宋時代の建窯(現在の福建省南平市建陽区水吉鎮)で作られ

散歩中に見つけた花と自作の花瓶。| 坂口恭平

「自分で作った花瓶に、銀座の花を生けるよ」と、本誌編集部のある銀座周辺に咲く花を使うという、驚くべき提案をしてくれた坂口さん、「銀座の花」とはこれいかに。取材当日、半信半疑の取材班の前に「ほら、あったでしょ」と携えてきたのは、何と「野イチゴ」と「ジンチョウゲ」。まさか銀座の片隅に、イチゴが実をつけているとは。

「少し歩いたらすぐ、道路脇にひっそり咲いていたのを見つけたよ。気分が良くなると、いつも

町を見渡せる小さな空間で、北国の器に出会う。

まるで隠れ家のように、ビルの屋上に佇む4坪ほどの小さなショップ。10階まではエレベーター、あとは階段を上らないと辿り着けないが、わざわざ訪れる甲斐はあるというもの。店主の塚野鐘美さんがセレクトする器は、塚野さんが実際に使って良いと思ったものばかり。北海道のクラフトがほぼ半分を占める。札幌の陶芸家・柴田睦子さんの器は、一見陶器に見えないメタリックな釉色が特徴的。厚手で丈夫なので普段使いにも。製材から

A PLANTS

 大阪で植物といえば、珍奇植物も多く見応えのある巨大な屋内植物園〈咲くやこの花館〉。その植物園から徒歩圏内にあるのが今年2月にオープンしたばかりの〈A PLANTS〉だ。定番のパキポディウムやオペルクリカリアといったマイナー種など種類豊富な塊根類に加え、ユーフォルビアの人気種を中心にセレクトする。WEB責任者の増田清隆さんは「決して同じ形のものがないのが植物。インテリアの一つとして、気に入ったデザ

少ない壁面スペースを縦横無尽に遊ぶ。

 千葉県、房総半島の東部に位置するいすみ市で半自給自足生活を送る陶芸家の浜名一憲さん。20年ほど前に住み始めた自宅兼工房は、眼下に太平洋を望む、高台に建てられた一軒家だ。
 浜名さんの自宅の壁を一言で譬えるならば「カオス」。弥生時代の土器から江戸時代の道具、アウトサイダーアートや現代アート、子供の絵や習字まで、壁にはさまざまなものが置かれ、貼られ、飾られている。とはいえ、海辺に立つ家の壁面はテラス

文化財ではなく、文化として受け継ぐ、明るく軽やかな茅葺きの家。

 陶芸家の十場天伸さんは、この茅葺きの家で育った。神戸市は淡河町、里山の尾根筋に立つ古民家で、十場さんが中学に上がる頃、庭に両親が新しい家を建ててからは大きな物置のようになっていたという。
 高校で地元を離れ、島根で民藝とスリップウェアに出会った十場さんは、10代の半ばで陶芸家になることを決意する。卒業後、京都で技術を学び、独立独歩、さて、どこに窯を築こうかというとき、実家から「茅葺きの家は、潰そ

「ナニデデキテルノ?」とつぶやけば、大人も子供も好奇心が湧いてくる

「工芸」とひとくくりに呼んでも、陶器、漆器、織物のようにその種類はさまざま。これらの工芸作品がどんな素材からできているか気にしてみたことはあるだろうか。普段私たちが着ている「服」も、「繊維」が「糸」になり、それを織って「布」ができ、「服」になっている。今回、そのように一つの作品が何でできているのかということにフォーカスした展覧会が行われている。工芸鑑賞はちょっと難しい……と感じている人にこそ体験し

伝統的な手法で、型破りな作品を作り続ける。|齋藤敏寿

 様々な形をした複数の陶のパーツと鉄のパーツを組み立て、抽象的で巨大な陶芸作品を作り出す。今回のコンセプトは“アーキタイプ=元型”。「人間が持つDNAや原子、分子やその先にある物事の根元の形とは何かというイメージです。不定形で一見“ナニコレ⁉”と思われる僕の作品ですが、実は作陶工程を正確に踏んでいかないと出来上がらない形。僕って実はすごく伝統的な陶芸家なんじゃないかな(笑)」。抽象的な形だが、何か