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距離感

人はいつフィリピン料理を食べるのか?

祝日の夜の西荻のとある商店街は、日本海側の町のシャッター街かと思うほど閑散としているうえ、寒風が吹きすさんでおり、土地勘というものに絶望的に見放されている私は、こんな場所にフィリピン料理屋があるのかと心細かったが、その細さが極細になるほど歩いた先に「ATE」はポツンとあった。

今回、社長とママと私は、フィリピン料理をくらうのである。食らうと決めてからふと思ったのだが、人はどんなときに「さあ、フィ

トロワ・シャンブル|柄本 明

 台本を読んだり台詞を覚えたりするには、家の中にいるより街に出た方がいい。余計な情報がたくさんあった方がなぜか集中できるんです。喫茶店は静かだけど人の気配はあるでしょ。あの感じがちょうどいいんですよね。家から歩いて来られる、〈トロワ・シャンブル〉にはもう30年以上通っています。マスターが無口で会話はほとんどないんだけど、程よくこちらのことを気にかけてくれる。僕はお店の人と喋るのが苦手なので、この距

人の生活の基盤になっている、町の喫茶店。|カメントツ

 つい最近まで東中野に住んでいたので、町の喫茶店によく行っていました。東中野の喫茶店はお店とお客さんがいい距離感を保ちながら、店の環境を守っているところが最高なんです。特にこの〈ルーブル〉は、町に溶け込み、人々の生活の基盤になっている店。中に入ると、友達や親戚の家に遊びに来たようなワクワク感と安心感があります。甘いものが食べたくなると注文するセレナーデは、パフェを目指して作ったら、全く違う「セレナ

少年時代の瑞々しい夏が蘇る。アニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』。

子供の頃に経験した夏っぽいイメージは、いつまでも脳裏に焼き付き、何かの瞬間にものすごい速さで蘇ったりする。まさにそんな夏のまぶしさをギュッと詰め込んだのが、アニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』だ。29歳という若さで本作に挑んだ石田祐康監督は、疾走感のある独自のアニメーション作品を高校時代から発表してきた注目の存在。女優の蒼井優が、物語のキーパーソンとなる“お姉さん”の声を務め、作品の魅力を深

エドモン・ルドニツカのパフュームガーデンへ。

 エドモン・ルドニツカのパフュームガーデンを訪ねるため、「香水の町グラース」から6㎞ほど離れた山の上の小さな村、カブリへと向かった。パリから飛行機でニースに入り、そこから車で1時間弱。カブリは「コートダジュールの展望台」と呼ばれ、昔から作家や画家など芸術家に愛される美しい村として知られている。エドモン・ルドニツカ亡き後は息子のミッシェル・ルドニツカが家を継ぎ、5人の庭師と共に庭の管理にあたっている

今話題の作品に続々出演! 画面の中でひときわ存在感を放つ、あの女の子は一体誰?

『重版出来!』『みをつくし料理帖』『anone』。近年非常に高い評価を受け、多くの賞にも輝いたテレビドラマだが、そのすべてに出演している女優がいるのをご存じだろうか。それが蒔田彩珠だ。といっても、まだその名前に馴染みのない人も多いだろう。
 ただ、こうしたドラマを観ている人なら、あの役のと言えばみな合点がいくに違いない。蒔田はまだ高校生になったばかりだが、子役の頃からどの作品においても常に強い存在

「“現在進行形の鋤田正義”を見られる映画」と箭内道彦は言った。

鋤田正義 前に一緒に湖に行ったよね。
箭内道彦 ええ、福島でやってる『風とロック芋煮会』ですね。プログラムが終わった夜中の1時から「公開PV撮影」というのをやって、そこで鋤田さんにムービーを回してもらったんですよね。
鋤田 そうそう。
箭内 僕は、巨匠の無駄遣いじゃないけれど(笑)、巨匠にそういう無茶を頼むのがすごく大切で面白いと思っていて。
鋤田 いやぁ、楽しかったですよ。ああいう依頼はまずない

動物の感じ方は自由でいい。自分なりの動物像を持つこと。|三沢厚彦

 熊は森で一番強い動物でカッコいい、かつ愛らしい。物語や寓話にもよく登場するが、本当の熊の気持ちは誰にもわからないだろう。
 僕は動物モチーフの彫刻を作品としているが、制作の際は実際の動物はあえて見ないようにしている。“動物”をつくっているのではなく、あるリアリティを持った“彫刻”をつくっているから。
 図鑑のデータや写真などの資料を基に、サイズだけは実物に忠実に、その後は自分の中での熊像をつくり