
生命力


木の聖なる力が、人々を救うと信じて。【聖樹・巨樹研究家】杉原梨江子
世界中の木の神話や思想を研究。国内では戦災を生き延びた木を巡り、その逸話を執筆やセミナーで世に伝える。年間100本以上を巡る杉原氏が木に魅せられたのは、病で生きる希望を失った時、育てていたガジュマルに勇気づけられたことから。木と対峙する時は、まずは出会えたことへの感謝の挨拶に始まり、樹皮をくまなく観察。原爆や空襲などの傷痕から歴史を振り返り、木とともに生きてきた人に話を聴く。気に入ったら最低1時

研ぎ澄まされる創造力。グラフィックデザイナー井上嗣也、72歳の新作。
井上嗣也が新作『THE BURNING HEAVEN』で描いた、モノクロの宇宙。72歳の巨匠は何に掻き立てられ、オリジナルの制作を続けるのか?

「能面」と「昆虫」。2つのモチーフに宿る、力強い生命力。
切り絵アーティストの福井利佐が今年、精力的に活動中だ。まず、7月7日まで駿府博物館で展覧会『福井利佐 切り絵展 絢爛「能」』を開催している。テーマは、能楽で用いられるお面「能面」。緻密で迫力ある展示作品は、2008年から10年間、宝生流二十世宗家・宝生和英さんの個人演能会『和の会』が主催する公演のメインビジュアルとして、福井が手がけてきた作品群の集大成だ。
「能面は学生時代から興味があり、よく

ワークショップが自身の制作に及ぼすものとは?
2008年から10年間続けてきた能面シリーズの制作と、2年間を費やしてきた絵本制作に一区切りがつくこの夏。成果を世の中と分かち合う展覧会が続く福井利佐にとって、来場者を募って切り絵のワークショップを行うことも楽しみの一つだという。「ワークショップでは、過程や場の雰囲気、コミュニケーションも含めて作品。インスタレーションに近いところがあると思うんです。自分自身の制作とは別物だけれど、定期的にワーク

今夜はフンパツ! 名古屋の美食を堪能。
名古屋フレンチ界のリーダー的存在。
歴史ある建物が残る町並み保存地区に立つ邸宅レストラン。北村竜二シェフは、10年にわたり数々のヨーロッパ3ツ星店で修業。スイスの〈ジラルデ〉ではスーシェフ、〈ミクニナゴヤ〉では料理長として活躍した。東京など他地域の店ともコラボイベントを行うなど精力的。

Flower noritake
名古屋の中心地にあって、森の中に誘われるような佇まい。店内には生命感溢れる力強い植物がずらりと並ぶ。その主は存在感のある大胆なアレンジメントで、全国区に知られるフローリスト・則武潤二さんだ。「美容師になるはずが、フラワーアーティスト・土屋宗良さんの花に心奪われて弟子に」と振り返る。独立して約30年。もっといい素材をと求めるうち、近隣の農家に栽培を依頼する植物も増えた。市場には出ない形の花や生命力あ

ドライフラワー
無機質な空間が引き立てる、新たな花の美しさ。
雑誌や広告でフラワーアーティストとして活躍する〈edenworks〉の篠崎恵美さん。仕事柄、大量の花を仕入れ、使った後は廃棄するという行為に違和感を抱いていた。そんな時、代々木上原で始めた生花店でお客さんから「この花はドライにできますか?」と頻繁に聞かれ驚いたそう。花を捨てたくないのは誰もが同じと気づき、2017年に専門店をオープン。調剤薬局をコンセ

はいいろオオカミ+花屋 西別府商店
ロシアの古器やヴィンテージ家具とともに、切り花が並ぶ一風変わったフラワーショップ。「実際、自宅に飾ったときの花姿をイメージしてもらえるように、テーブルなどの什器から花器まで、暮らしを連想するディスプレイを意識しています」と店主の西別府久幸さん。仕入れる花も個性的。水の少ない乾燥地帯で育った原種を中心に、生命力溢れる野性的な花が店内を埋め尽くす。店主自ら山奥へ入り、太陽に向かって曲がりくねって伸びた

ATON
2016年にデビューしたエイトンは、昨年末に、東京・表参道に初の直営店をオープン。一度袖を通したお客は虜になってしまうことが多い。その理由は、どこにもない、最上級の素材にこだわっているから。ディレクターの久㟢康晴さんは、大手アパレル会社で約20年間テキスタイル開発やディレクターを務めてきた人物。生産に関するノウハウを叩き込まれた経験から、日本全国津々浦々の工場とコネクションを持ち続けている。彼の考