
ライカ


貯金は時間の無駄。今しかできない経験を銀行に預けるな。|幡野広志 ●写真家

初代編集長・木滑良久が語る、BRUTUS創刊前夜。
「90歳だからね。もうみんな忘れちゃったよ」
約束の時間よりずいぶん早くに、待ち合わせ場所にカーディガン姿の軽快なカジュアル・スタイルで颯爽と現れた木滑良久さんは、そう言ってニカッと微笑んだ。『週刊平凡』『平凡パンチ』『アンアン』『ポパイ』、そして『ブルータス』まで数々の編集長を歴任し、多くの雑誌の創刊に関わった「伝説」の編集者。この世界に長くいる先人たちが最上の尊敬を込めて呼ぶ「キナさん」。本誌

発見! 進化する合いがけカレーの法則。
世界一のカレー・ダイバーシティを誇る東京。ところが最近似たようなカレーも増え飽和状態となりつつある。ならばと新しい可能性を探れば、ドライ&ウェットの法則に行き着く。なぜか。店主の個性と“混ぜる意図”がよりハッキリと伝わるから。

穏やかな風が吹くパースの街を歩く。
都市に隣接する公園としては世界最大級、ニューヨークのセントラルパークよりも広いキングスパークは、パース市民の憩いの場。スワン川越しに街全体を眺めることができる。西オーストラリア各地域のワイルドフラワーが植えられ、いわば植物のショーケースに。必然、ワライカワセミやマグパイなど、多くの野鳥が暮らす楽園にもなっている。

写真家・平野太呂 ハウスメーカーとつくる家。
まず最初に、誤解を解いておかなければならないのは、たぶん、多くの人が、ハウスメーカーと家をつくる、となると、ほとんど、何も、自分たちの好きなようにはできない、と思っているだろうこと。間取りは自由、床材も建具も選べます、と言ったって、せいぜい選べるのはAかBの2択くらいで、本当に好きなものは使えないし、細かな希望なんて聞いてもらえないんでしょ、と思っていること。
違います。できます。ものすごく、

ウィリアム・エグルストンの日常。
ウィリアム・エグルストンを、テネシー州メンフィスの自宅に訪ねた。カラーフォトグラフィのパイオニアにして、凡庸な日常から強烈な美を引き出す天才写真家は、今いったいどんな家に住み、どのような毎日を送っているのだろう。緑あふれる公園を見下ろす、大きな元ホテル。薄暗い廊下に立ち、ドアをノックした。

早すぎた天才、沼田元氣を知っていますか?
1980年代には前衛芸術家のパフォーマーとして盆栽アートを繰り広げ、90年代に写真家としての活動を本格化させた沼田元氣さん。前衛的かつキュートに洗練されたそのセンスは、常に時代の先を歩む。川島小鳥さんの師匠でもある沼田さんは、写真という表現の可能性を今も追求し続けている。

ライカとモンクレールが共演するフォトプロジェクト。
自然とテクノロジーの結びつきは、モンクレールの歴史を語るうえでは欠くことのできないエレメントである。そして今回新たに、モンクレールの卓越した技術と美学追求の調和を象徴するプロジェクトがスタートした。そのパートナーに選ばれたのが、ドイツ生まれの老舗カメラブランド、ライカだ。100年以上のヘリテージとイノベーションがモンクレールの哲学と結びついた結果生まれたLEICA Xエディション“Moncler”

〈ザ・バーンズ〉の「チキンカチャトラ」
1985年に会社に入って関西支社配属に。以後、2000年に東京へ転勤するまで、多い時には週5日通ったのが西宮・苦楽園口の〈ザ・バーンズ〉。いったいどれだけの夜をこのバーで過ごしたか。飲んだのは「オールド・グランダッド」のみ。ボトルキープは150本以上。マスターの保倉幸彦さんは、家族以外で一番「一緒にいて気持ちが楽な人」かもしれない。この店、料理もかなりおいしくて、最初の頃はドライカレーが多かった