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【屈辱の町に香るバター茶】内モンゴルを味わうための語彙力とは。

 ドスの効いた怪しげなビル。「馬記 蒙古肉餅」はその五階にある。その店名からそこはかとなく漂う異国のマッサージを経由した性サービスの気配。いや、それはおのれの欲望の写し鏡か。マーキーモウコローピンと読むらしい。マーキーモウコローピン。読んだ端から覚えようという気持ちが冬の夜風に散っていく。

 それは高田馬場にあった。高田馬場には嫌な思い出しかない。大人計画を旗揚げした25、6歳の頃、この町のハン

【食うだけで満足の国】五日間の休暇で何処へ行くべきかという悩み。

 去年の秋口くらいから、ずっと私はつまらない人間なのである。つまり休みなく遊びもせず働いてばかりいるからだ。仕事は楽しい。もちろん苦しいこともあるが、私は主に笑いを取り扱った仕事をしているので、仕事の中に「笑っていられる時間」ってものがある。これは普通ではない。普通でないのはおもしろい。しかし、傍から見れば、働いてばかりいて遊ばない人間ってものはつまらないに違いない。それにいいかげん疲れすぎて来た

古着は世界を駆け巡る!

昨年末に、原宿に出店した古着屋〈西海岸ANCHOR〉は圧倒的な品揃えが評判を呼び絶好調。だが、今回注目するのは、母体となる日本ファイバー(福岡県大川市)という会社だ。年間に200万トンもの衣料が廃棄されるなか、世界を相手に古着事業を多角的に展開している。その内容を知ると、流通の仕組みがいかにサステイナブルで時代に合っているかがわかるはずだ。
 
1950年に廃品回収からスタートした同社は、70年代

【長野、仙台、大阪、小倉、津、そしてケニア。】そして、誰も皆無口で、ウガリを◯◯した。

芝居の巡業で、長野に行き、仙台に行き、大阪に行き、小倉に行き、三重の津にまで行った。「どこ行くの?」「津」。発するのに一秒かからないスピード感に満ちたこの町には、その名前にふさわしく一日しか滞在しなかった。芝居後、食べ歩きをする元気もなく、津の夜は終わったのだった。その土地に旅して、その土地のものを食えない。それは虚しい。仙台では牛タンを食べ、長野では蕎麦を食べた。津には、なんの思い出も残らなかっ

人はいつフィリピン料理を食べるのか?

祝日の夜の西荻のとある商店街は、日本海側の町のシャッター街かと思うほど閑散としているうえ、寒風が吹きすさんでおり、土地勘というものに絶望的に見放されている私は、こんな場所にフィリピン料理屋があるのかと心細かったが、その細さが極細になるほど歩いた先に「ATE」はポツンとあった。

今回、社長とママと私は、フィリピン料理をくらうのである。食らうと決めてからふと思ったのだが、人はどんなときに「さあ、フィ

サン・セバスチャン

生産者の人柄や農園の環境を知ったうえで、土地の魅力が発揮されている豆を極力直接買い付ける。オーナー森崇顯さんが大切にするのはキャラクターの表現と質感、酸と甘さのバランス。「どのコーヒーもフレーバーと口当たりのバランスが素晴らしい。これは確かな焙煎の賜物。浅煎りに仕上げた秘境・ウィラ地区の豆もクリーンで甘く、紅茶のような柔らかいアフターテイスト」(三木)。フローラルなアロマ、ブドウのようなジューシー

ナインティ・プラス ゲイシャ・エステート

コーヒー先進都市・福岡で4店舗を展開する実力店。オーナーは『ジャパン バリスタ チャンピオンシップ』で2年連続チャンピオンに輝いた岩瀬由和さんだ。「より生産者に近い立場へ」と、2018年夏から自社焙煎をスタートしたことも、福岡のコーヒー好きたちの間で話題に。素材の持つ個性を引き出すべく、浅〜中焙煎が基本。パナマのゲイシャ種は、エレガントな風味、強い甘味が非常に豊か。「ベルガモットやマンダリンオレン

ブエノスアイレス

福岡インディペンデント系カフェの草分け的存在。大西さんにとってマヌコーヒーといえばこの豆なのだとか。甘さとコクを持つマラゴジッペ種に、明るさと爽やかさを持つカトゥーラ種を交配したマラカトゥーラは果実も生豆も大きい。農園が独自に行うケニバという処理方法によって、親品種から受け継いだ特性がさらに大きく引き出され、澄んだ味わいや口当たりの良さを実現する。「グレープフルーツやスイートスパイスを思わせます。