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個人的

スポーツという枠があり、人間の普遍は可視化された。

五輪3連覇、国際試合13年無敗、哲学とプーシキンを愛読。ロシアの偉大なレスラー、アレクサンドル・カレリンは、かつてそんなコメントを残したという。スポーツは肉体を酷使する。ゆえに言葉を求めるのだと。それを丁寧に紡いだ本は、時にスポーツの芯まで届く。読まないのは損だ。硬骨のスポーツライター、藤島大さんが案内する。


スポーツの名著。こう呼び得る一冊には、いくつかの前提があるという。まずは書き手の愛。

クイーンの次はフィル・コリンズ再評価ブームが来る?

先月テーマに取り上げたクイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、驚異的なヒット作に。1985年7月に開かれ世界中を熱狂の渦に巻き込んだチャリティ・イベント『ライブ・エイド』のシーンの感動から、クイーン以外の当日のステージ動画などを検索しハマっている人も多いとのこと。

その『ライブ・エイド』。ロンドン会場で一番観客が沸き伝説化したのがスタジアム受けするクイーンだったのは事実。ただし、一番「活躍」

死にかけたアメリカを映し出す“普通の人たち”。| リン・ディン × 川上未映子

路上生活者、身体障害者、日雇い労働者、ドラッグ中毒者……。『アメリカ死にかけ物語』は、ベトナム生まれの詩人であり小説家のリン・ディン氏が、アメリカ各地を旅しながら、底辺に生きる者たちの声を拾い集めたエッセイ集だ。いわば“アメリカのB面”のドキュメントである同書が書かれた背景について、その日本版にエッセイを寄せた小説家の川上未映子氏を聞き手に迎え、リン氏に語ってもらった。

つまんない作品だって、 酒の肴になるんだよ(笑)。┃シネマノヴェチェント

「映画が好きで好きで、ずっと映画館と配給をやりたかった」と、館主の箕輪克彦さん。もともとは家業を継いでいたものの、2000年頃「今だ」と一念発起。名画座が次々と潰れ始めていた当時、大胆な決断だった。当初はスペースを借りてイベント上映を行っていたが、「映画館って、映写機と場所さえあれば小規模でもできるよな」と気づく。16ミリと32ミリの映写機を手に入れ川崎市で始めたのが、シネマノヴェチェントの前身、

六月の鹿

 盛岡はスターバックスが中心部から撤退せざるを得なくなったほど、個人経営の喫茶店が人々に深く愛されている街だ。一関出身の熊谷拓哉さんが盛岡へ移り住むきっかけは、図書館で読んだ一冊の雑誌だった。
「そこに盛岡の〈機屋〉というコーヒー店が載っていて、見出しに“開店直前に2トンの豆を持っていた”と書いてあった。何だそれはと思ったんです。当時はコーヒーのことをぜんぜん知らないから、焙煎した状態の豆しか思い

70年代のソウルミュージックからもらったもの。|永井 博

 1968年からディスコへ通い始め、ソウルミュージックに魅了されました。当時お店でかかっていたのはジェイムス・ブラウンや〈モータウン・レコード〉など、日本でも発売されていた曲が中心。思えば、大した知識なんかなかったんです。
 73年にイラストレーターやデザイナーたちと、40日間かけてアメリカ各地を旅行した時のこと。みんながすぐにNYへ向かう中、僕と湯村輝彦さんと数人だけ、西海岸に残り、LAやサンフ