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原節子

原節子さんを観ていると、そこに小津監督の顔が浮かんできますよね。

『もらとりあむタマ子』で前田敦子さん扮するタマ子は、「ダメだな、日本は」とかぶつくさ言いながら、日がな食べて寝て漫画ばかり読んでいる自堕落な女の子。しかし、父親に再婚話が持ち上がると、それまで気づかなかった父への思いに戸惑いを見せる。まるで原節子扮する紀子が、『晩春』で笠智衆扮する父に複雑な思いを抱くように。
 山下敦弘監督と、大学時代からコンビを組む脚本家の向井康介さんと一緒に、小津映画のことを

まるで小津が描いた父と娘のように。|前田敦子

 主演する映画『もらとりあむタマ子』は、父が一人で暮らす甲府に里帰りし、ぐうたらな日々を過ごしているタマ子の物語。そのぐずぐずぶりに笑い転げていると、不意をつくように、映画は互いを思うタマ子と父の愛情に焦点を合わせていく。あ、これは何かに似ている。そう思ってよくよく考えると、これは父と娘の絆を描いた小津安二郎の名作『晩春』によく似ているのだ。「私、原節子さんが大好きなんです。特に『晩春』で“汚らわ