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ドイツ

映画で辿る、東京ノスタルジー。

 1983年、ドイツ人監督のヴィム・ヴェンダースは、ドキュメンタリー映画『東京画』を撮ろうと思い立つ。テーマは、敬愛する小津安二郎の映画のような風景が、東京にまだ残っているかを検証することだ。しかし、彼の目に映ったのは、小津のそれとは似ても似つかぬ、混沌とした東京の姿だった。本作を今観ると興味深いのは、そこにもまた失われた東京が記録されていることである。歴史を遡れば、初めて東京がフィルムに収められ

【10・30min.】夜までどうする?所要時間別、 福岡の過ごし方。

 見る、食べる、買う。旅先での過ごし方は千差万別だけれど、せっかくならその土地独自の体験を模索したいもの。ならば福岡で過ごす一日はどうだろう。この街は、コンパクトであるうえに移動手段も豊富。少し足を延ばせば一風変わった水族館や離島にだって行けてしまう。ひるがえって、実は近場に予期せぬ特別な体験を得られる場所がいくつも潜んでいる。ここでは、買い物や食事はそこそこに、所要時間別の明確な実体験テーマをプ

Tokyo(2017)| アンドレアス・グルスキー

 高さ2.5×幅4mほどもある巨大な写真で圧倒するのは、ドイツ生まれの写真家アンドレアス・グルスキー(1955〜)です。風景をいくつにも分割して撮影し、画像をつなぎ合わせることで、一枚の高解像度の写真を作り上げているんだとか。東京の家々の風景がやや斜俯瞰の位置から写されたこの作品。ええ、なんてことはない、ありきたりな住宅街の景色です。が、大きな画面に近づいてよくよく眺めると、一軒一軒の家の細部まで

“世界のトップランナー”と“音楽の都の保守本流”。

 1882年創立のベルリン・フィルは、ソロでも活躍できるレベルの音楽家がメンバー、コンサートマスター、指揮者まで、既存楽員の投票によって決められるという民主主義、実力主義の組織。その基盤を固めたのは歴代の首席指揮者たちだ。「帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤンは、冷戦時代にベルリン・フィルを西ドイツの富の象徴に押し上げ、最先端技術による録音を推進して世界的名声を築いた。続くイタリア人のクラ

映像の先駆者2020(後編)

 前回に続いて僕のエバーグリーン映像作家を紹介。第2位はドイツの巨匠オスカー・フィッシンガー。1930年代に発表された「study」シリーズは音楽に完全シンクロする抽象アニメでMVの始祖にして完成形。僕は90年代初頭にレーザーディスク(!)「映像の先駆者シリーズ」で、初めて彼の作品に出逢い、その時の衝撃とワクワク感で映像を作っています。この連載はネット時代の「映像の先駆者」を目指しました。第1位は

Gift Horse (2014)|ハンス・ハーケ

 ここは、観光客で賑わうロンドンのトラファルガー・スクエア。政界人が演説をする場としても有名な広場ですね。その中心で威容を誇るのはナポレオンから英国を死守した英雄、ネルソン総督の像。ほかにも広場の四隅には国王や軍人のモニュメントが鎮座しているのですが、その一つに、期間限定で現代アーティストの作品を設営することが通例になっているんだとか。2014年ここに堂々とお目見えしたのが、ドイツ人のアーティスト