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オーナーシェフ・鈴木美樹が 今春のピエモンテで探した、 イタリア料理の“正解”。

なんにもねぇ、ネッビオーロしかねぇ! 20日間滞在することになる部屋の窓から外を見て、思わす叫んだ。ネッビオーロは、ピエモンテ地方で栽培される主要なワイン用ブドウで、修業先はバローロ村のすぐ隣。ネッビオーロしかないのは当然である。知らなかったわけじゃない。それでも徒歩圏内にバールの一軒もない環境に少し心細くなったのだ。

中部:イタリアの背骨、アペニン山脈の 山、丘陵地、畜産と食。

日本と同じく、海に囲まれていても中山間地が多いのが中部イタリア。海岸で魚介スープを食べているかと思えば、内陸は一気に山の料理に変わる。家畜には牛も羊もヤギもいるが、南に近づくにつれて羊のチーズ、羊肉料理が目立ってくる。小麦は軟質小麦も硬質小麦も、両方のパスタが味わえる。油脂は動物性のバターからオリーブオイルへ。ラードを使う料理も魅力。植生の境目が様々な形で料理に表れているのが、中部料理の面白さ。

北部:国境、アルプス山脈、酪農が 形作る北の味。

フランス、スイス、オーストリア、スロベニアと国境を接する北部イタリアには北ヨーロッパや東ヨーロッパ諸国の影響を受けた料理も。山岳部は小麦がほぼ育たずパンも保存食。ガチガチに乾燥して堅くなったパンをスープや煮込みに浸して食べる。山の乳牛チーズは旨味豊かで料理にも大活躍。バター、生クリーム、ラードなどリッチな油脂分を用いる。中部に近づくと軟質小麦のパスタ圏内となり有名な手打ちパスタ料理が多い。

イタリア人シェフ×和食材の コンテンポラリーイタリアン。

イタリア本国をはじめ世界各国で高く評価されているルカ・ファンティンシェフ。
「国内ではジュエラーブランドの看板が大きい分、逆に顔が見えづらい状況に。もっと、日本のフーディーに彼の料理を知ってほしい」と、浜田さんも力説する。イタリアのみならずスペイン〈ムガリッツ〉や〈龍吟〉など、世界のトップレストランで修業した経験を持つ。真骨頂は自身の名を冠したコンテンポラリーのコース、メニュー「ルカ・ファンティン

生ハム別立ての2部制コース。 前人未到の高橋ワールド。

インタビューは恵比寿〈ペレグリーノ〉で行われた。1年のうち4ヵ月は海外、2ヵ月は地方を食べ歩く浜田さんが、東京で通う店の一軒だ。エミリア=ロマーニャ州パルマで修業した高橋隼人シェフの代名詞が、切りたてを提供する極薄の生ハム。「軽い口溶け、鼻に抜ける香り。厚切りのイタリアの生ハムにはない、日本ならではの味ですね」

今回、数ある店の中から「世界に自慢したい」店を選ぶにあたり、「イタリア人に食べさせた

レシピじゃない、限りなく ネイティブに近い感覚を。

2015年、錦糸町の桜並木を見下ろす場所に〈サン・ヤコピーノ〉を構えた元吉賢一さんは、2001年から14年修業した。当初は1軒で四季を見て、3軒で3年あれば十分だと考えていたのに。
「でも2年目、言葉がわかるようになると、それまでの理解の半分は想像にすぎなかったと気づいて」
 
自分が、いかに知らなかったか。わかってしまうと怖くなるし、同時にどんどん深掘りしたくもなる。
 
彼の修業はユニークだ。

イタリアのイタリア料理が 急速に変わった時代。

白金台〈リストランテ センソ〉の近藤正之シェフは、期間を無期限と決めて飛行機に乗った。
「自分が納得するまで帰らない」で、12年。後半6年はシェフを張り、ピエモンテ州〈ロカンダ・デル・ピローネ〉のミシュラン1ツ星を獲り続けている。
「2000年代は、イタリアの料理界が急速に変わった時代です。EUでスペインや北欧などとも行き来して料理がボーダレス化し、地域性より個人の表現に移行した」
 
例えば近藤