キーワード

いすみ市

少ない壁面スペースを縦横無尽に遊ぶ。

 千葉県、房総半島の東部に位置するいすみ市で半自給自足生活を送る陶芸家の浜名一憲さん。20年ほど前に住み始めた自宅兼工房は、眼下に太平洋を望む、高台に建てられた一軒家だ。
 浜名さんの自宅の壁を一言で譬えるならば「カオス」。弥生時代の土器から江戸時代の道具、アウトサイダーアートや現代アート、子供の絵や習字まで、壁にはさまざまなものが置かれ、貼られ、飾られている。とはいえ、海辺に立つ家の壁面はテラス

地域の資源を活かして、町づくりを面白がる地元の人と、経済中心の社会に疑問を持つ都会の人が地方で交わる。

海、山、川など自然に恵まれた環境と資源、人とのつながり。地方にあるものを求めて、ライフスタイルとして、移住や2拠点生活を選択する人や、地域に根づいてビジネスを起こす人が増えているいま、日本の地方に、新たなコミュニティが生まれている。

「働く親の背中が見せられる」

 自家培養の天然酵母にこだわる〈パン屋タルマーリー〉。以前は千葉県いすみ市に店を構えていたが、震災を機に2012年に真庭市勝山に移転。この地は、パンの出来を決定づけるおいしい水の手に入れやすさで選んだ。
「各地の水を飲み比べていて、直感的にここだと思った。僕らは田舎から田舎への移住。ここは山間だけど町なので、小学校の生徒数はいすみの時より多いんです。そのせいもあってか、娘は以前よりずっと社交的にな