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深沢七郎

怖さが潜む、ゾッとするフレーズ。

思春期の百閒が動物をいじめる随筆の最後がこれ。死の瞬間に色が変わったというんだけど、ここで物質レベルの話が「死」という状態の話に切り替わっている。直前の鮒や蟹のところでは白やら青やら出てくるのに、この部分だけパートモノクロになって、何色に変わったのかが書かれない。この欠落がたまらなく怖いんだけど、これは文章だからこそできる技で、短いなかに取り返しのつかなさやある種の絶望感さえ漂っています。すごく視

深沢七郎『樽山節考』のおりんと辰平

名前:深沢七郎『楢山節考』のおりんと辰平

病状:本当に雪が降ったなあ! と、せめて一言だけ云いたかったのである。辰平はましらのように禁断の山道を登って行った。

備考:貧しい部族の掟を守り、胸の張り裂ける思いで息子は、母をおぶって楢山へ捨てに行く。1957年、当時42歳の作者デビュー作。ほか3編を収録。新潮文庫/460円。

就職しなくても大丈夫。|戌井昭人

「就職しないっていうことは、面白い生き方をしたいってことだと思う」と語る、戌井昭人さん。偉大で、どうしようもない3人の作家について、自身の滅々とした体験を交えつつ、朗らかに語ってくれた。

 
実は30歳を過ぎて、俺どうしたらいいんだろうって、就職活動をしたことがある。夏なのに冬物のスーツを着て、汗まみれで。平和島の潰れた喫茶店みたいなところで面接して、受かっていたら今ごろ何をしていたんだろう?