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とんかつ

とん鈴のロースかつ定食特上

 コートで爽やかに汗をかいたら、銭湯で軽やかにその汗を流し、とん鈴で賑やかに豚を囲む。これが我がフットサルチームの定番コース。柿生の駅前、出し入れのしにくい駐車場と愛嬌のある豚の暖簾がとん鈴の目印。粗目の衣がサクッと香ばしく、しっとりとうまみの広がるお肉に、ほんのりあまーい脂と、三拍子が揃ったロースかつ定食は僕が幼少期からのお馴染みの味。とんかつがうまいのはもちろんだが、厨房の職人さんの素っ気ない

銀座梅林のヒレカツサンド

 大人の街、銀座がちょっと楽しいかもと感じはじめたのは最近のことで、正直まだ満喫しきれない年頃です。誰かに連れて行ってもらう銀座は好きだけれど、ひとりだと同じコースを駆け足でまわってササッと帰る。ランチなんてもってのほか。そんな私が最近覚えた消化不良の銀座を気持ちよく締めくくる方法が、〈梅林〉のヒレカツサンドを買って帰るという贅沢です。ブタちゃんのイラストが描いてある可愛い紫の包みを小脇に挟んで銀

お食事処 福よしのタレカツ丼

 私が生まれ育った町の辺りには、なぜかタレカツ丼の文化があった。私は小さい頃からそのタレカツ丼に慣れ親しんでいたために、一般的な卵でとじられたタイプを食べたことがなく、上京して初めて食べたのを覚えている。
 私の祖父がこの店でよくお酒を飲んでいて、それについて行ってはこのカツ丼を食べた。塩辛さと甘さのあるタレがカツの薄めの衣の色を濃くし、その下にある白米も香ばしく色付け、それだけでもう美味い。カツ

名代とんかつ かっぱの名代とんてい

 バリッと揚がった名代とんかつ。せん切りキャベツの小山を従えて威風堂々。皿の上の勢いがとにかく違う。ちらり、きつね色の衣の下から見えるロース肉の顔つきもたまらない。とろーっとたっぷり、艶っつやのデミグラスソースの海。右手にナイフ、左手にフォークを握ったまま見入ってしまう。ひと切れ噛みしめたら、もう止まらない。〈かっぱ〉の嵐に巻き込まれて突っ走る。
〈かっぱ〉に惚れている。実家のある倉敷に行くとまず

立呑み とんかつ まるや 汐留店

 ロースカツ400円。惣菜店や弁当屋と変わらぬこの価格に気を取られていると、その旨さに驚かされる。豚肉は日本人向けに開発された麦富士豚。油はコクと風味を生む100%ラード。中心がほんのりピンク色になる絶妙な揚げ加減も見事。これは紛うことなき、専門店のとんかつである。ここでお供に薦めたいのが、定番からジンジャー、梅風味まで10種ほど揃うハイボール。喉に刺さる強炭酸とウイスキーの苦味はとんかつの風味を

GINZA1954

 惚れ惚れするほど美しい極薄の衣に、肉の断面は見事なまでの淡い紅色。名物の「カツサンド」にありつくには注文から30分ほどかかるが、低温の米油でじっくりと火を入れるその時間こそ、美しく旨いカツを生む秘訣。贅沢にもロースの中心部だけを使う宮城県産三元豚は軟らかく、噛み締めると肉汁がじわり。合わせるのは豚と同郷の「宮城峡」。「ロース肉自体の旨味がしっかりしていて、ソースの味も濃いから、ストレートで合わせ

とんかつ 喝

 金町駅北口の駅前通りの雑居ビルの2階にある隠れ家的な店だが、〈喝〉はとんかつファンの間では名の知れた一軒だ。ここのとんかつの特徴は、何といっても低温の大豆油などで揚げ、余熱でじっくり火を入れることにより引き出される肉のジューシーさにある。この製法は時間が経っても肉が硬くなりづらいというメリットを生むため、酒の肴としてじっくり味わうにはぴったりなのである。合わせる酒は、店主が惚れ込む常陸野ネストビ

民藝酒房 SUZUBAR

 新宿で創業六十余年の老舗〈すずや〉(p.87)。2年前にメニューを一新し、品書きから「カツサンド」の名が消え、悲しんだファンも多いはずだ。が、そのカツサンドは、系列店のここ〈SUZUBAR〉で味わえる。当然、カツサンドの製法も〈すずや〉時代のままだ。特製ソース、パンに塗られた辛子の刺激とバターの風味がヒレカツを包み、それらが渾然一体となる。中島大渡店長が季節の野菜や果物で提案するカクテルの中から

洋食・ワイン フリッツ

 かつて洋食の名店〈旬香亭〉の揚げ物専門店として人気を集めた赤坂の〈フリッツ〉。その閉店から4年を経て、昨年5月に元調理スタッフだった田苗見賢太さんによって、店名もそのままにオープン。当然、メニューに並ぶのは、〈フリッツ〉仕込みの料理だ。昔からのファンをさらに喜ばせたのが、「オープン直後はオペレーションが未熟だったから」との理由で封印していた「ロースとんかつ」の開始。茨城県産美明豚を、高温の油と、

あげづき

 開店に当たり数十種の豚肉を試したという店主の保科剛さんが、食べた瞬間に採用を決定したのが宮崎県産「南の島豚」。きめ細かい肉質と赤身と脂のバランスに惚れ込んだのだという。そんな肉質を生かすために、揚げは低温の油でじっくり20分ほどかけ、仕上げに高温で衣に香ばしさをプラス。ただしラードに植物油をブレンドしているため、食べ応えは軽い。純米酒を中心に20種以上揃う酒、お薦めは燗で。酒の温度が脂の融点を超