キーワード

とんかつ

とんかつ山和の特ロースかつ定食

 全日本とんかつ連盟に加入し、食材にこだわりのある昔ながらの店。混むランチを避け、落ち着いた夜に行っています。箱根路(何故?)が描かれた暖簾の奥から、お肉を丁寧に調理する音がドスドス、揚げる音がカラカラと心地よく聞こえてきます。お皿を運ぶ時に触れないよう配慮されているのか、暖簾の片側だけ短くカットされているところに、几帳面さがうかがえます。ご夫婦で切り盛りされているのですが、名店にありがちな偉そう

平田牧場の金華豚ヒレかつ膳

 マガジンハウスの『ポパイ』web版でシティボーイに選んでもらっている私ですが、実は、一九七四年に山形県に生まれました。数年前、地元から母が上京したとき、一緒に食事に行ったのがコレド日本橋の〈平田牧場〉。〈平田牧場〉は山形県の会社なのですが、二人とも食べたことがありませんでした。めったにない母との食事なので、高級な「金華豚ヒレかつ膳」を注文。すると運ばれて来たのは、サクサクしたパン粉に、一口でかみ

とんかつ椿のあけび

 昨年は私にとってとんかつ元年とも呼べる年だった。
 白いご飯と揚げたてのかつを頬張るとお腹の底でエネルギーが渦巻く感覚がずっと続き、家事や仕事がやけにはかどることに、仕事の打ち合わせでとんかつ専門店に行った夜に気付いた。一人でさっと食べに行けるところもいいし、ケーキよりも即効性があって、焼肉よりも気負わなくて済む。暇を見つけてはガイドブックに載っている店をせっせと巡っていた私に「実家の近所に、そ

すずやのとんかつ茶づけ

 高校2年生の夏、私は美術部の先輩が友人のNちゃんと会う時の「緩衝材」として〈すずや〉にいた。自分に期待されている役割に気付かず、ただとんかつとキャベツとごはんの割合をうまく保って食べるのに注力し、元来マイペースなNちゃんが食べ放題のごはんを一度おかわりしたので心中で尊敬した。ちょっと変わった食べ方のとんかつは先輩にとって自慢のごちそうだったのだと思う。私はただ目の前のちょうど良く残したとんかつに

ふじもとのロースカツ定食

 突然だがとんかつソース問題をご存じだろうか。運ばれてきた熱々のカツにソースを一気に回し掛けると衣がべちゃべちゃになる上に早く冷めてしまう。だからやっぱり一切れ食べるごとにソースを掛けたい。檸檬だって一切れずつ搾りたい。すると衣はサクサクのまま、何口食べても最初の一口のような感動が味わえる。しかし実際これがいちいち面倒くさい上に行為としてどうもぱっとしない。とんかつの無骨な印象と、衣ごときを気にす

とんかつ武信のヒレかつ膳

「おなかが空いてる時に真っ先に食べたいと思うのはカツサンドでおなかがいっぱいでも食べ続けられるのは水餃子」、というのはこの10年くらい変わっていない。今回はカツサンド、ではなくとんかつ。さらに空腹という感じだ。代々木上原に住んで7年、私のとんかつパーセンテージは8割がた代々木上原駅前商店街の〈武信〉のヒレかつ膳。とにかく軽くそして柔らかい。豚好きの人にはもう少し臭くても、と余計な心配するくらい臭み

福家のヒレカツ丼定食

 お気に入りのとんかつ屋さんを教えてくれと問われ、非常に困った。お気に入りのとんかつ屋が特にないからだ。
 そう書くと、とんかつに思い入れが薄いと思われるだろうが、逆。
 お気に入りでないとんかつ屋が一軒もないのだ。(自分にとって)美味しくないとんかつがない、と同義でもある。
 あそこのは特に美味しかったとか、あそこのはイマイチというのが、本当にない。人生で出会ってきた全とんかつが等しく嬉しい楽し

とん鈴のロースかつ定食特上

 コートで爽やかに汗をかいたら、銭湯で軽やかにその汗を流し、とん鈴で賑やかに豚を囲む。これが我がフットサルチームの定番コース。柿生の駅前、出し入れのしにくい駐車場と愛嬌のある豚の暖簾がとん鈴の目印。粗目の衣がサクッと香ばしく、しっとりとうまみの広がるお肉に、ほんのりあまーい脂と、三拍子が揃ったロースかつ定食は僕が幼少期からのお馴染みの味。とんかつがうまいのはもちろんだが、厨房の職人さんの素っ気ない

銀座梅林のヒレカツサンド

 大人の街、銀座がちょっと楽しいかもと感じはじめたのは最近のことで、正直まだ満喫しきれない年頃です。誰かに連れて行ってもらう銀座は好きだけれど、ひとりだと同じコースを駆け足でまわってササッと帰る。ランチなんてもってのほか。そんな私が最近覚えた消化不良の銀座を気持ちよく締めくくる方法が、〈梅林〉のヒレカツサンドを買って帰るという贅沢です。ブタちゃんのイラストが描いてある可愛い紫の包みを小脇に挟んで銀

お食事処 福よしのタレカツ丼

 私が生まれ育った町の辺りには、なぜかタレカツ丼の文化があった。私は小さい頃からそのタレカツ丼に慣れ親しんでいたために、一般的な卵でとじられたタイプを食べたことがなく、上京して初めて食べたのを覚えている。
 私の祖父がこの店でよくお酒を飲んでいて、それについて行ってはこのカツ丼を食べた。塩辛さと甘さのあるタレがカツの薄めの衣の色を濃くし、その下にある白米も香ばしく色付け、それだけでもう美味い。カツ