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精神科医

沼田真佑『影裏』の今野秋一

症状:見ているこちらが歯痒いような、不器用な手つきで靴ベラを日浅は動かしていた。こんなもの、ほんとに不要だと思った。踵など以前のように踏みつぶして履いたらいいのだ。
備考:出向先で知り合った同僚の日浅。共に釣り酒を酌み交わした唯一の親友は突然消えた。芥川賞受賞作。2月14日から本作が原作の映画が公開。文藝春秋/1,000円。

【話題の本】レティシア・コロンバニの2作目『彼女たちの部屋』邦訳版が近日発売。

 フランスで100万部を超えるベストセラーとなり、折しもその頃世界的に拡散した「#MeToo運動」の中で、フェミニズム小説としても高い評価を受け、その後日本でも出版され話題となった『三つ編み』の作者レティシア・コロンバニの待望の新刊『彼女たちの部屋』の日本語版が間もなく刊行される。コロンバニは、それまでもオドレイ・トトゥ主演の『愛してる、愛してない…』などの映画監督や女優として活躍していたが、初め

【5月2日全国順次公開予定】ナレなし、音楽なし。テーマなし。想田和弘「観察映画」最新作は老夫婦の日常。

台本やナレーションがないドキュメンタリー映画=観察映画で知られる想田和弘の新作『精神0』。患者一人一人の孤独と対峙し続けてきた82歳の精神科医・山本昌知に10年ぶりにカメラを向けた本作について、旧知の仲でもあるライター、武田砂鉄が訊いた。

高山羽根子『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』のシバちゃん

症状:あのとき、工事現場で『お腹なめおやじ』にお腹をなめられたのに言い出せなかった、私と同じような子がほかにもいるんじゃないだろうか。
備考:幼い頃に少し嫌な思いをしたこと。誰にも気づかれず、なかったことにしていた記憶を、大人になった少女は、振り払うように走るのだった。集英社/1,300円。