キーワード

村上虹郎

大事なのは、役者の心を開くのではなく、まず自分自身を開くこと。

『東京奇譚集』に収録された村上春樹の短編を、松永大司監督が自らの脚本で映画化した『ハナレイ・ベイ』は、美しいハワイの風景の中、大切な息子を失った母の喪失感を静かに描いていく物語。もとは役者だった松永監督が憧れ、その作品やワークショップを通して演出法を吸収していった橋口亮輔監督に、まずはこの作品の感想から聞いた。

違いや共通点を知る、交流や対話で心を開く。|村上虹郎

 人との対話のなかで、自分の価値観を自分の言葉で人にぶつけた時に、考えがより明確になる気がします。その時の相手の反応によって気づきがあることも。対話とは、人の常識と自分の常識は違うということに気づけること。そして他人との共通点を見つけられること。その実践の場として、海外で日本とは違う文化や人に出会い交流することは、とても良い機会だと思います。友人と散歩をしながらたわいもない会話をすることもたくさん

自分のスタイルを作るためには、他者の言葉に耳を傾けよう。

「どうでもよいことは流行りに従い、重要なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う」。映画監督、小津安二郎の言葉です。創作の究極の言葉だと思います。「人がいいと言うものは、見た方がいいよ。それで自分が違うと思ったら、またそこから会話が生まれるから」。10代の頃からの憧れの先輩でミュージシャンのSHJの言葉。自分の流儀、スタイルを世間に通したいのならば、まず相手を許すことから始める。そんな基本的なこと