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アレッサンドロ・ミケーレに70の質問

〈グッチ〉のクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレに70個の質問。BRUTUS独占インタビュー。

Photo: Kevin Tachman

Q1-Q14
毎日欠かさず行っていることはありますか?

Q1

聞かれたくないことはありますか?

A1

自分のことをさらけ出すのが苦手なので、ほどほどにお願いします。

Q2

ご自分の名前は好きですか?

A2

はい、とても気に入っていますよ。

Q3

ニックネームの“Lallo”の由来について教えてください。

A3

特に意味はありません。ご存じの通り私の名前は長く、子供の頃に両親が“ラッロ”と省略して呼ぶようになったんです。それからですね、友達からも“ラッロ”と呼ばれるようになったのは。“アレッサンドロ”は王様の名前で、立派な名前です。今の私はというと、どちらかというと“アレッサンドロ”よりも“ラッロ”の方がしっくりくる感じがあります。

Q4

小さい頃は何をして遊ぶのが一番好きでしたか?

A4

動物たちと遊ぶことです。

Q5

幼少期のヒーローは誰でしたか?

A5

ドイツの考古学者、ハインリッヒ・シュリーマンです。トロイ遺跡を発掘した彼のことにずっと憧れていました。心からヒーローだと思っていました。

Q6

そんな当時の夢は何になることでしたか?

A6

考古学者です。

Q7

若い読者へアドバイスをください。若いうちに経験すべきことはなんだと思いますか?

A7

私にとって、経験やチャレンジする精神は年齢と関係ないと思っているので、この質問には答えられないです。

Q8

毎日欠かさず行っていることはありますか?

A8

自分のルーティンを壊すことです。習慣的なルールを作るのも好きなのですが、一方でその習慣を変えたいという気持ちも同時にある。なぜなら、縛られるのが怖いから。だから、家から会社までの道や髪形など、いつもちょっとしたことを変えていたりしているんです。

Q9

朝、起きて最初にすることは何ですか?

A9

ん〜……まずは耳栓を外すことですかね。騒がしいと嫌なので、毎晩耳栓をして寝ているんです。

Q10

いつも何時間くらいの睡眠を?

A10

だいたい6~8時間ですかね。

Q11

最近の趣味について教えてください。

A11

ギターのレッスンを再開しましたよ。

Q12

口癖はなんですか?

A12

困りましたね。私の話をよく聞いている人に聞いてみるのがいいかもしれません。

Q13

好きな食べ物は?

A13

パンです。

Q14

疲れた時に食べたくなる料理やスイーツは?

A14

ピザです。

Q15-Q28
お気に入りの映画は何ですか?

Q15

尊敬するのはどんな人ですか?

A15

本をたくさん読んでいる人です。

Q16

一年に何冊くらい本を読みますか?

A16

エッセイを読むことが多いですね。好みで言うと、短編ではなく長編。本を読む時間は、勉強の時間だと思っています。私にとって読書は、何ヵ月間でも沈んでいられる海のようなもの。だから時間をかけずにさっと読むのは好きじゃない。

Q17

大切な本はありますか?

A17

アドリアナ・ザッリの著書『Un eremo non è un guscio di lumaca』です。

Q18

一年に何本の映画を観ますか?

A18

それほど多くはありませんよ。選択するということは尊いことです。だから選択することに貪欲である必要はないと思うんです。逆に、観たことのないものを誇りに思ったりもします。無理して観ようとは思いません。私の存在は、やらないこと、観ないことによっても作られているのですから。

Q19

お気に入りの映画は何ですか?

A19

ご存じかもしれませんが、私は一つのものだけを選ぶことができる人間ではありません。好きな映画はたくさんあります。例えば、ピエル・パオロ・パゾリーニの『マンマ・ローマ』。この映画では、ローマや母と息子の複雑な関係が描かれていて、私が大切にしている映画の一つです。

Q20

好きな言葉はありますか?

A20

「It is going … seeing」。シチリアのことわざです。

Q21

言葉の力を信じますか?

A21

えぇ、ものすごく。

Q22

“贅沢”をあなたの言葉で。

A22

自由です。

Q23

どんな車に乗っていますか?

A23

大きな車です。

Q24

好きな花は?

A24

カメリアですね。

Q25

収集癖はいつからですか?

A25

たぶん8歳くらいだったと思います。

Q26

どんなものを?

A26

色ガラスの破片や貝殻、それにコルクとかを集めることから始めた記憶があります。いわゆる日常の記録です。それらを小さなトランクに入れていたのを覚えています。

Q27

お気に入りの文房具はありますか?

A27

本当に文房具が好きでしてね。私にとっては“聖なる”ものなのです。たまたま今日、文房具に老眼鏡という新しいアイテムが加わりました。今では、ペンや鉛筆、ノートが眼鏡の数だけあります。老眼鏡は手放せない大切な道具です。

Q28

メモはノート派ですか? スマホ派ですか?

A28

もちろんノートですよ。

Q29-Q42
愛とは何ですか?

Q29

電話かメール、どちらが好きですか?

A29

電話です。

Q30

誰かに贈り物をする時、どのようなものを選びますか?

A30

その人が絶対に買わないようなもので、私らしさが少し入っているものを選びます。

Q31

他人にどう思われているか、考えることはありますか?

A31

私は意見よりも対話が好きです。

Q32

仲良くなれる人の共通点は?

A32

どんな人とでも仲良くなれる自信はあります。特に、ルールを持たない人や、型にはまらない人とは仲良くなれる傾向があります。

Q33

友人はあなたという人間像を、どのように表現しますか?

A33

好感の持てる、髪の毛の多い人ですかね。

Q34

自分のことを社交的だと思いますか?

A34

自分が今まで会った人々と比べても、最も社交的な部類の人間だと自負しています。

Q35

初対面の人のどこを初めに見ますか?

A35

身ぶり手ぶりです。

Q36

政治家になろうと思ったことはありますか?

A36

いいえ、ありません。

Q37

AI(人工知能)は世界をより良い場所にすると思いますか?

A37

知能は、世界をより良い場所にすると思います。

Q38

愛とは何ですか?

A38

不思議なエネルギーです。

Q39

イタリア人の良いところと悪いところは?

A39

創造性が良い点で、ルールを守らないことが悪い点ですかね。

Q40

最後の晩餐、どうしますか?

A40

親しい友人を招いて、ローマにあるトラットリア(カジュアルなレストラン)でディナーを楽しみたいです。

Q41

最近、爆笑しましたか?

A41

数ヵ月前に、パートナーと一緒に郊外へ行ったんです。自然豊かな郊外の風景を見て、電子レンジを嫌っていた母のこと、そしてそんな母と一緒にテレビを買いに行った日のことなんかを思い出したんです。その日、母は電子レンジの前で40分近く、じっと座っていたんです。なぜなら、電子レンジをテレビだと思っていたから。その日、私は母と一緒にお腹が痛くなるほど笑いましたし、このことをパートナーに話した時もたくさん笑いました。

Q42

日本を訪れたのは何回目ですか?

A42

出張で日本へ来るたびに、延泊するような癖がついてしまっています。少なくとも……4回以上は延泊してますね。

Q43-Q56
もしもタイムマシンがあったら
どの時代に行きたいですか?

Q43

東京でお気に入りの場所を教えてください。

A43

私は東京に初めて来る人を案内するのが好きなんです。彼らに見せたい場所はいくつかあります。まずは渋谷の交差点。ルールという基盤の上に彼らの生活が成り立っている、日本の文化をよく表している場所だと思います。それに渋谷の交差点は、惑星の交差点のようにも見えたりするので大好きな場所ですね。そしてハチ公。信じがたい、力強いラブストーリーを物語っています。あとは、おもちゃ屋さんとか……。挙げるとキリがないですが、東京の街並みはとても好きです。

Q44

好きな日本人のアーティストやクリエイターを教えてください。

A44

日本の建築は特に好きですよ。彼らがどのように空間をデザインし、構築するのかにすごく興味を持っています。特に安藤忠雄氏の建築。それにアニメーションも好きですね。宮崎駿氏の作品は特に。

Q45

一番だと思う建築様式は?

A45

一つのスタイルを挙げるとすれば、イタリアの新古典主義建築でしょうか。

Q46

記憶に残っている場所はどこですか?

A46

このような質問に答えるのは、難しいんです。だけどあえて一つ選ぶとすれば、何年もかけて愛情を込めて作り上げてきた、私の“居場所”です。つまり習慣として存在する場所。うん…… 私のルーティンに欠かせない素敵な場所ですね。

Q47

ロンドンとイタリア以外でお気に入りの都市はどこですか?

A47

パリも大好きですよ。

Q48

もしもタイムマシンがあったら、どの時代に行きたいですか?

A48

イギリスの摂政時代を見てみたいですし、エリザベス1世と食事もしてみたいです。ペリクレスと一緒にアテネを観光するのも楽しそう。そして、アンナ・マニャーニとフェデリコ・フェリーニとのディナーも……。

でも、もし一つだけしか選べないのであれば、第14代ローマ皇帝のハドリアヌス帝と一緒にローマのパンテオンを訪れてみたい。すべての神々や宗教のための神殿をローマの中心部に建設するという彼のアイデアは、とても現代的だと思います。まぁ、不可能だとはわかっているんですけどね。

Q49

狭い空間に閉じ込められたら、まず何を考えますか?

A49

考える前に、発狂してしまうと思います。

Q50

普段はどんな音楽を?

A50

私はレナード・コーエンが大好きで、ジャズ、クラシック、インディーズ音楽も大好きです。私のプレイリストはかなり長くなりますよ。

Q51

コンプレックスはありますか?

A51

昔は多少あったのかもしれませんが、大きなコンプレックスはありません。一つだけあるとすれば、自分の声ですかね。自分の声を聞くのはいつも苦手です。

Q52

まだ試していないけれど、やってみたいことは?

A52

インドでしばらく過ごすか、ほかの国に移住すること。

Q53

ストレスの解消法は?

A53

話すこと。

Q54

別の人生を歩むとしたら、どんな職業に就きたいですか?

A54

美術史家ですかね。

Q55

転生したら何になりたいですか?

A55

鳥ですね。う〜ん……猛禽類。メンフクロウのような夜行性の鳥。

Q56

最近買った高価なものは何ですか?

A56

18世紀のポルトガルで作られた水晶とロッククリスタルのネックレスです。今まで目にしたことのないような美しいネックレスです。博物館に所蔵されるようなものです。

Q57-Q70
20年後、あなたは何をしていると思いますか?

Q57

緊張することはありますか?

A57

はい、以前はよくありました。でも、緊張している時の自分は嫌いなので、今はあまりありません。

Q58

仕事があなたの心のスペースをどのくらい占めていますか?

A58

私の仕事は、とても大きく、とても美しい空間を占めています。

Q59

これまでの人生の中で、どのような経験が成功につながったのでしょうか?

A59

私に反対してくれた人たちがいたからだと思っています。

Q60

あなたが成功した理由は何ですか?

A60

私にはまだわかりません。でも、私がクリエイションするものは、嘘偽りなく自分は本当に美しいと思うものだけを表現しているからなのかもしれません。

Q61

失敗した後、どうやって立ち直りますか?

A61

失敗することを恐れるばかりか、失敗を貴重なものとして受け取ります。なぜなら失敗は、非常に美しいものを生み出すきっかけになりますからね。

Q62

あなた自身が持つ最高の資質とは?

A62

陽気なことです。

Q63

どのようにしてリーダーシップを発揮しますか?

A63

対話です。

Q64

会ってみたい人は?

A64

また難しい質問を……。強いて挙げるなら、アンナ・マニャーニやフェデリコ・フェリーニとか。現代の人で言えば、エリザベス2世とグレタ・トゥンべリでしょうか。

Q65

ご家族以外で、この人には毎年必ず会いたいという人はいますか?

A65

私はいつも時間を見つけては愛する人たちに会い、一緒に過ごしています。しかも高頻度で、定期的に。オーストラリアに住んでいる大切な友人がいるのですが、彼女には少なくとも年に1度は会うようにしています。

Q66

負けず嫌いですか?

A66

いいえ、だけども自分にだけは負けたくないです。

Q67

自分らしいと思う装いは、どんな服装ですか?

A67

Tシャツです。でもカラフルでキラキラと輝く服は、死を遠ざけるものだと信じています。

Q68

20年後、あなたは何をしていると思いますか?

A68

アレッサンドロです。これからもクリエイティブで好奇心旺盛な自分を育て続けていると思います。

Q69

BRUTUSチームのモットーは、“みんなでまとめて決めたことは正しいが、面白くない”というものです。それについてどう思いますか?

A69

素敵なモットーだと思います。ルールのようであって、ルールではないですからね。

Q70

今回のエキシビション、グッチ ガーデン アーキタイプ展を一言で言うと?

A70

Playground of Emotions(いろいろな感情に触れられる遊園地)かな。

アレッサンドロ・ミケーレ グッチ