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珍奇鉱物図鑑「トルマリン」5種を紹介。コレクター心をくすぐる豊富なカラーバリエーション

透明感のある宝石質で美しい鉱物が、自然界に存在するありのままの姿。本来の結晶の様子や、他の鉱物と共生することで織り成すその景色は、まさに自然が生み出す芸術だ。その中でも特にハイクオリティな標本“ファインミネラル”たちを集めてみた。

photo: Tetsuya Ito / text: Shogo Kawabata / special thanks: PEANUTS MINERALS, USK MINERALS, private collectors

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Tourmaline(トルマリン)とは?

トルマリンは一つの鉱物グループのため、その主成分によって細かく区分されるが、カラフルで宝石質なものはほとんどがリチウムを多く含むエルバイトであることが多い。さらに含まれる細かな成分によって色は変化し、同一結晶内に異なる2色が出るバイカラーや複数色出るマルチカラーなどもある。

エルバイト トルマリン/クォーツ 
Tourmaline var. Elbaite with Quartz

エルバイト トルマリン/クォーツ
背の低いトルマリンが水晶を伴って母岩一面に広がる標本。トルマリンは宝石になると色によって呼び名が変わり、このように鮮やかな赤色の場合、宝石名は“ルベライト”となる。45×62×58mm。

キュプリアンエルバイト トルマリン 
Tourmaline var. Cuprian Elbaite

キュプリアンエルバイト トルマリン
ブラジル・パライバ州産出の銅を含有するブルーのキュプリアンエルバイトは、“パライバトルマリン”と呼ばれる。カットするとネオンブルーの宝石になるため美しい標本が出回ることは稀。81×48×35mm。

エルバイト トルマリン "ブルーキャップ" 
Tourmaline var. Elbaite "Blue-Cap"

エルバイト トルマリン ブルーキャップ
ブラジル・ミナスジェライス州のサポ鉱山から産出したものの中でもカラフルなレインボートルマリンと呼ばれるタイプ。結晶の一番上の部分が青いものは特に“ブルーキャップ”と呼ばれる。66×22.5×19mm。

エルバイト トルマリン 
Tourmaline var. Elbaite

エルバイト トルマリン
深いネオンブルーからグリーン、そして、赤みを帯びていくグラデーションの人気のタイプ。2色だとバイカラー、3色ならトリカラーと呼ばれ、トルマリンはこうした結晶が多く見られる。41×27×22mm。

エルバイト トルマリン/レピドライト 
Tourmaline var. Elbaite with Lepidolite

エルバイト トルマリン/レピドライト
数あるブラジルのトルマリン鉱山の中でも特に評価の高いミナスジェライス州のジョナス鉱山から産出した宝石質の結晶。レピドライトとのコントラストが美しい。48×45×30mm。

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