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珍奇鉱物図鑑「ロードクロサイト」5種を紹介。産地ごとに結晶の形状が変化する鉱物

透明感のある宝石質で美しい鉱物が、自然界に存在するありのままの姿。本来の結晶の様子や、他の鉱物と共生することで織り成すその景色は、まさに自然が生み出す芸術だ。その中でも特にハイクオリティな標本“ファインミネラル”たちを集めてみた。

photo: Tetsuya Ito / text: Shogo Kawabata / special thanks: PEANUTS MINERALS, USK MINERALS, private collectors

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Rhodochrosite(ロードクロサイト)とは?

炎のようなレッドや桜の花びらのような淡いピンクまで赤を基調とした発色をする鉱物。特に南アフリカで発見された深紅で透明感のある牙のような結晶(犬牙状結晶)はコレクター垂涎の標本。学名の語源となったローズピンクの結晶標本が産出するルーマニアなど産地によって様々な結晶が楽しめる。

割ったザクロを思わせるような
ロードクロサイト

ロードクロサイト
真っ赤な犬牙状結晶が驚異的な密度で晶出する、まるで割ったザクロを思わせるような景色の標本。マンガン母岩の黒との色の対比も魅力で、このタイプの標本としては特大サイズ。78×70×52mm。

バラの花束のような
ロードクロサイト

ロードクロサイト
まるでバラの花束のようなルーマニア産の標本。ロードクロサイトは、1813年にルーマニアで初めて発見され、バラ色であることからその名にバラを意味する言葉が採用された。59×70×27mm。

小さな炎のような結晶を持つ
ロードクロサイト

ロードクロサイト/マンガナイト
小さな炎のような結晶が、照りのある黒いマンガン母岩上一面に広がる、コントラストの美しい標本。産出する鉱山はすでに閉山しており、入手するには古い標本が出回るのを待つしかない。65×26×30mm。

美しい菱形六面体
ロードクロサイト

ロードクロサイト
アメリカ・コロラド州で採れるロードクロサイトは美しい菱形六面体を示すものがあり、特に人気のある産地。雪を思わせるような白は微細なクォーツ、そこに包まれるように深紅の結晶が載る。37×32×18mm。

透明で犬牙状の結晶
ロードクロサイト

ロードクロサイト
炎をそのまま結晶化したような標本。このような透明で犬牙状の結晶が1960年代に南アフリカで産出して以来、それまでも高かったロードクロサイト人気がさらに過熱し、現在に至っている。41×30×26mm。

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