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Tシャツには人が出る。ヴィンテージTシャツ評論家・田中凛太郎

たかがTシャツ、されどTシャツ。Tシャツは、一枚一枚が持ち主の人生を雄弁に物語るものだ。ヴィンテージTシャツ評論家・田中凛太郎さんにお気に入りのTシャツを教えてもらいました。

text: Ryota Mukai

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家宝として額装された、着られないTシャツ

アメリカのヴィンテージTシャツを取り上げた『My Freedamn!』の1冊目を作ったのは2003年のことでした。以来巻数を重ねて、これまでに少なくとも1万枚は紹介してきたはずです。そんな僕が家宝として特別に額装しているのが、ハーレーダビッドソンの一枚。

1969年、アメリカのオートバイレースでチャンピオンになった時に作られたサンプルTシャツです。今に受け継がれる、星条旗の柄があしらわれた「1」のデザインが初めて登場したアイテムでもあります。

当然、歴史的に重要な一枚。さらにこれは当時の優勝ライダーで、僕の憧れの存在でもあるマート・ローウィルに譲ってもらったものでもあります。99年頃のことです。つまり今の仕事の礎となった一枚でもあるんです。

マート・ローウィルのサイン入Tシャツ
Tシャツはマート・ローウィルのサイン入り。この上には同時期に作られたハーレーダビッドソンのポスターが飾られている。

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