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食べる

文筆家・トミヤマユキコのご贔屓ソフトクリーム

食べるのはほんの数分でも、食べた時の記憶はいつまでも色褪(あ)せないのがソフトクリーム。文筆家・トミヤマユキコの心に鮮烈な印象を刻みつけた“ご贔屓(ひいき)ソフト”とは。

illustration: Yoshimi Hatori / text&edit: Emi Fukushima

新幹線に持ち込み、果物のフレッシュ感で自分を甘やかす

ご贔屓ソフトクリーム:〈HATAKE STYLEエスパル山形店〉のさくらんぼソフトクリーム

観光果樹園直営店のソフト。サクランボの豊かな風味が持ち味。400円。

山形の大学での講義を受け持っているため、週の半分は山形、残りは東京、と行き来するのが毎週のルーティンになっています。東京に戻る新幹線に乗る前、山形駅の駅ビルで買うのがこのソフトクリーム。果樹園が手がけているお店のため、こってり感は抑えめで、サクランボのフレッシュ感が最大限引き立っているのが特徴なんです。

満足感はあるんですが、ベタベタした甘さがなくサラリと食べられるのが嬉しいところ。私は“ソフトクリームガチ勢”で、ファストフード店やコンビニで売っているような手頃なものも大好きなんですが、これはご褒美的な特別なソフト。片手に持って新幹線に乗り込み、ちびちび味わいながら、「今週もよく働いた」と自分を甘やかしています。