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ホテルジャーナリスト・せきねきょうこが薦めるあの宿の、この一品

「この料理のために行きたい」「あの温泉のあれが食べたい」、日本全国のおいしいものを知り尽くす温泉通のせきねきょうこさんに、おいしい温泉宿をジャンルごとに聞きました。実際に行って、食べた人にしかわからない名物料理ばかり。温泉や宿のクオリティも保証済みです。

illustration: Yumi Uchida / text: Mutsumi Hidaka, Mimi Odahara / edit: Rie Nishikawa

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せきねきょうこが薦めるあの宿の、この一品

海鮮

タグ付き活ずわい蟹尽くし/〈べにや無何有(むかゆう)〉(石川・山代温泉)

内田有美 イラスト

究極の贅沢はコレ!ズワイガニと香箱蟹のフルコース

加賀の山や湖沼、日本海からの旬の食材を吟味した懐石料理。

「30年以上、全国を取材で回っていますがこんなに贅沢でおいしいカニ料理は食べたことがありません。橋立漁港から揚がった香箱蟹の琥珀ゼリーの先付から始まり、蟹の洗い、焼ずわい蟹、茹でずわい蟹、さらに香箱蟹と自家製唐墨の土鍋飯、すべて徹底した料理法で楽しませてくれます」

野菜

おとぎ会席/〈おとぎの宿 米屋(よねや)〉(福島・須賀川温泉)

内田有美 イラスト

生き生きとした野菜を楽しむ体にも環境にも優しい料理

誰もが知っているおとぎ話の物語を、料理の紙芝居のように表現した会席料理がシグネチャー。

「農薬を使用せず育てる自家菜園と、オーガニックの契約農家からも取り寄せる安心安全の野菜を中心に、体に優しい料理を提供しています。敷地内の地下から湧く天然水を使用。有機栽培米など、家業が米屋だったことからお米には特別なこだわりもあります」

地鶏の炭火焼/〈天空の森〉(鹿児島・南霧島温泉)

内田有美 イラスト

土地の恵みを味わい尽くす薩摩地鶏のシグネチャー料理

自社牧場で育てる薩摩地鶏を丸のまま焼き上げてから12部位に切り分けて盛り合わせ。

「もも、胸、ささみ、せせり、ぼんじり、ハツ、レバー、エンガワ、砂肝、ハラミ、ソリ、皮それぞれの味わいが感じられます。敷地内で採れたイタリアンパセリとカボスが添えられていてアクセントに。地鶏メニューは焼き鳥串の時もあって、そんな遊び心もうれしい」

逸品

松茸コース/〈山の湯宿はまやらわ〉(山梨・甲州市)

内田有美 イラスト

稀少な、香り高い国産のマツタケのマツタケ尽くしのフルコース

秋の季節メニューがマツタケ三昧のフルコース。

「良質な天然鉱泉に、温かで気取らぬもてなし、絶品の旬の食材による素朴な手料理が評判の宿。小さな山の湯宿ですが、秋にはとんでもなく贅沢なマツタケ料理が振る舞われます。一生分のマツタケを食べ尽くしたかのような気持ちに。また奥多摩湖源流の純天然清水を使用したわらび餅も絶品です」

飯/麺

鮨会席/〈ふふ 熱海 木(こ)の間(ま)の月〉(静岡・熱海温泉)

内田有美 イラスト

温泉旅館では珍しい鮨会席で伊豆近海の恵みを堪能する

〈ふふ 熱海〉に隣接する滞在型の別邸。

「鮨会席を提供する旅館は少なく、人気メニューです。いつ訪れても、料理に対する手を抜かない姿勢、クラシカルな技と斬新な部分が融合された、新しい日本料理の魅力に溢れています。伊豆近海で獲れる地ものの金目鯛が一年を通して献立に。握りはもちろん、鍋や焼き物、汁物など様々な料理で楽しめます」

酒/飲料

100%みかんジュース/〈アマネム〉(三重・奥志摩温泉)

内田有美 イラスト

完熟ミカンがギュッと詰まった無添加ジュースを一気飲み

世界的なラグジュアリーホテルチェーン〈AMAN〉初の天然温泉を有する一軒。

「客室のミニバーに用意されているミカンジュースが特別で、忘れがたい味。一年中ミカンが採れるという三重県・御浜町の農園の温州ミカンを丸ごと搾ったもの。甘さも酸味もしっかりある本来のミカンの味わいを出すために樹上完熟させているそう。お代わり必至です」

朝食

お粥の漢方膳/〈はづ木〉(愛知・湯谷温泉)

内田有美 イラスト

もちもちとした独特の漢方粥で心と体を整えたい

十数種類の漢方を使った薬膳懐石と源泉掛け流しの宿。

「朝食は黒米やもち米など、3種類の米の混合粥が主役。梅干し、野沢菜、ザーサイや金山寺といった薬味を混ぜていただけます。目前で作る桶豆腐も人気。気持ちのいい朝を迎えることができます。医食同源、健康増進を願う人に、渓谷のせせらぎを聞きながら、おこもり休暇が可能です」

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