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カレー専門店じゃないけれど。あの店の名物〆カレー Vol.4 〈里葉亭〉〈時喰み〉〈fujimi do 243〉〈羊SUNRISE〉

カレーの専門店ではないけれど、旨いと評判のカレーがある店。研ぎ澄まされた技術で仕上げられた唯一無二の味は、看板メニューとして供されることも。食べずして帰れぬ味に、カレーの奥深さを感じずにはいられないのだ。

Photo: Yoichiro Kikuchi, Shin-ichi Yokoyama, Hiromi Kurokawa / Text: Haruka Koishihara, Koji Okano, Ayako Takahashi / Edit: Haruka Koishihara

里葉亭

60年以上、継承されてきた
横浜の老舗看板メニュー

名物「フライライス」の歴史は昭和30年代初頭まで遡る。近所でGHQ相手に営業していた〈Bar LIBERTY〉のフライドライスが元ネタである。「店名とメニューを引き継いで、うちの看板になりました。フライ返しを使って炒めるから名前から“ド”が取れたなど諸説あるんですが、今となっては……」と4代目の榊原伴次さん。

鶏ガラとネギや根菜類を圧力鍋で炊くこと3時間。このだしにカレー粉を加えて炊いた米を、さらに追いカレー粉で炒める。醤油ベースでスパイシー。でも、どこか優しい味のご飯に、こんもりした卵黄、福神漬け、ラッキョウを添えて供される。おいしさはそのままに、作り方は少しずつ変化していったという。
お任せコースで焼き鳥を楽しんだ後はこれを食べなければ締まらない。ゆえに、ほとんどのお客さんが注文する。

時喰み

高級懐石料理店の潮流で
普段使いできる和食とワインの店

銀座で、味もセンスも格別でリーズナブルな店を問えば名が挙がり、深夜ともなれば界隈の有名シェフが仕事終わりにこぞって訪れると聞けば、実力のほどを窺い知ることができる。この店は銀座屈指の日本料理店、〈銀座くどう〉〈徳うち山〉の系列店であるがゆえ、上質な食材が手に入るのだ。

ルーのだしにはエビの頭や殻を潰し丁寧に裏ごし。しかもお造り用に仕入れた伊勢エビやボタンエビのものだというからおいしくないわけがない。そこにタマネギ、トマト、ドライフェンネル、水を加え鍋底からレードルですくい上げるようにして全体をよく混ぜれば、フワリとしたムースのようなテクスチャーに。

エビの香りとコクが際立ち、濃厚なのにあっさりとしたルーに炊きたてご飯とビッグなエビフライの三位一体は、まさに〆にふさわしい贅沢カレーだ。

fujimi do 243(西小山)

イタリア料理&ロゼワインの
〆はネパール式カレー

西小山商店街に溶け込むカウンター酒場で腕を振るうのは、店主の渡邊マリコさん。新鮮な牛、豚、鶏のホルモンをイタリアンに仕上げたオリジナリティあるつまみとロゼワイン、朗らかな笑顔で客をもてなす。

人気のカレーは「以前同じお店で働いていたネパール人女性が作ってくれたカレーがおいしくて!手伝いながら教わったレシピがベースです」。
マリコさん流のアレンジで、唐辛子は使わずに黒コショウでシャープな辛味を出し、クミンやフェンネル、ターメリックなどのスパイスをブレンド。豚肉もタマネギも煮込みの時間は短くサラッと仕上げるから、後味にコショウがキリッと効く。

羊SUNRISE(麻布十番)

羊のおいしさを再認識!
第2次ラムブームの立役者

臭い、硬いなどと言われ長年肩身の狭かった羊肉のイメージを完全に覆したのが、言葉の端々から羊愛が溢れているオーナーの関澤波留人さん。

カウンターで産地や部位ごとに絶妙な火加減に焼いてくれるスタイルで、羊の魅力を伝える。関澤さんがジンギスカンの〆にと辿り着いたのは、寝かせることでおいしくなるルーカレー。クミン、コリアンダー、ガラムマサラ、シナモンなど8種類のスパイスを巧みに使い、アク抜きした羊肉を大きな鍋で4時間みっちり煮込んで1日寝かせる。
店内にこのカレーのスパイシーな香りが漂うと、お腹いっぱいでもつい頼んでしまうのだ。