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〈プリヤマハル東京〉〈ダルバートShanti〉〈ヤムヤムカデー〉東京の混ぜるカレー13選 Vol.4

次世代を担う大阪スパイス系からインド、ネパール、スリランカまで、「混ぜるカレー」シーンの最前線を取材。全部10店から3店をピックアップ。「〈スリマンガラム〉〈三燈舎〉〈南印度料理タミルナドゥ〉東京の混ぜるカレー13選 Vol.3」も読む。

Photo: Naoki Tani, Yasufumi Onda / Text: Yuko Saito, Kei Sasaki

プリヤマハル東京(笹塚)

ストリートフードも充実した西インドのローカルな味。

インド第2の都市・ムンバイを擁するマハラシュトラ州をはじめ、インド西部は今、コアなカレー好きが注目するエリア。ムンバイ周辺の郷土料理を、ストリートフードからレストラン料理まで幅広く揃える一軒が〈プリヤマハル東京〉だ。

必食は、スナック菓子のような揚げパスタ入り豆カレーを、昭和の給食パンさながらのパンと一緒に食べるミサルパブ。辛さ控えめ、粥のようなカレーと軟らかパンのマッチングは、ホット&スパイシーのインパクトとは真逆のベクトル。豆の甘味が生きた飽きのこない味で、不動の人気を誇るストリートフードというのも納得。現地でも増えつつあるというミサルパブ付きターリで、ライスやほかのカレーとも混ぜつつ味わおう。

アムティ:樹豆のスープカレー。甘いスパイスの香りが立つ。
サール:さっぱりとしたトマトスープ。
サブダナワダ:タピオカ入りのジャガイモコロッケ。酒のつまみに。
コシンビル:角切り野菜をピーナッツペーストで和えたサラダ。
ムンバイパン:三鷹市の製パン業者に特注し、ポルトガルから伝来したムンバイパンを再現。バター入りのリッチな生地。
ミサル:ファルサン(揚げパスタ)入りムング豆のカレー。
ライス:小粒で水分多めのムンバイの米に近い日本米を使用。

シェフ/ラジンデラ・シンさん
シェフのラジンデラ・シンさん
【オススメの食べ方】
1)ミサルは、クリスピーな揚げパスタが、汁気を吸い粥状になっても美味。ゴーダマサラという西インド独特のミックススパイスを使ったまろやかな味をお楽しみください。
2)ライスは基本、サールやアムティ用ですが、ミサルを合わせても。コシンビルを薬味的に混ぜても。

ダルバートShanti(神田)

ニッポン人のココロを掴む
ゴルダさんの豆カレー定食

ネパールで混ぜるといえば、豆カレーとご飯がワンプレートになったダルバート。店主のマーラ・ゴルブさんは、ネパール出身。しかも、実家は元食堂。直球勝負もできるだろうに、大阪スパイスカレーまで研究し、ここにしかないダルバート作りに余念がない。

ネパールのドライハーブ、ジンブーの香りを立たせた、優しいダルをかけるご飯は、桜エビがのったバスマティライスと日本米のブレンド。そこに重ねるのは、1日かけて塩抜きしてからスパイスに漬け込むラプシー代わりの梅干しのアチャール。

そして、北海道産野菜の炒め物。そもそもダルバートは、味噌汁定食に譬えられる日本人好みのプレートだが、いや、混ぜるほどに染みてきますよ、ゴルブさん。

キーマカレー:ドライハーブ、ジンブーを効かせた、ネパールならではのダルが主役。
青菜の炒め物:そのダルをご飯にかけるところから。そこにカレーやアチャールを1種類ずつ。辛さアップには、ヒマラヤ山椒入りの自家製調味料を。
アチャール:日本の食材を生かして、生まれ育ったネパールの定食を作っています。

店主/マーラ・ゴルブさん
店主のマーラ・ゴルブさん
【オススメの食べ方】
1)ドライハーブ、ジンブーを効かせた、ネパールならではのダルが主役。
2)そのダルをご飯にかけるところから。そこにカレーやアチャールを1種類ずつ。辛さアップには、ヒマラヤ山椒入りの自家製調味料を。
3)日本の食材を生かして、生まれ育ったネパールの定食を作っています。

ヤムヤムカデー(白山)

スリランカ料理マスターが作る
混ぜるほどに優しい小宇宙

混ぜるカレー特集で、外すわけにはいかないスリランカ。2019年に店を構えた古積由美子さんは、料理教室で長年、その料理を教えてきたスリランカマスター。現地に足を運び、家庭を訪ね、習得した味をプレートに仕立てる。色とりどりの惑星がご飯をぐるりと囲む小宇宙は、混ぜるどころか、食べるのも忍びないが、「お皿の手前には料理を盛り付けていないので、ここで混ぜてくださいね」と、古積さん。

ガツンとパンチのあるカレーやおかずのモージュと、ひときわ優しい豆のパリップや、油を使わないで作るあっさりした青菜やココナッツのサンボーラなどの副菜が、メリハリを利かせて4~5種。「インド料理とのいちばんの違いは、使う油の量だと思います」。

スリランカ調味料の代名詞のようにいわれるカツオ節、モルディブフィッシュも、ココナッツミルクも、自在に足し引きして素材を立たせる古積流。旨味は加速しても味の濃さは加速しないから、混ぜても、混ぜても、品がいい。

チキンカレー:カレーには、トゥナパハというミックススパイスを使う。これには焙煎したもの。野菜や豆のカレーには焙煎していないものを使うことが多い。
ナスのモージュ:スパイスとココナッツビネガーの酸味が効いた、常温保存できる揚げナスのおかず。
パリップ:レンズ豆のカレー。ココナッツミルクで煮ることが多い。
パパダン:ウラド豆の粉と小麦粉で作った薄いおせんべい。インドのパパドに比べて、やや厚め。
ココナッツのサンボーラ:唐辛子と塩、タマネギをつぶして、ココナッツと合わせ、レモン汁で味つけしたふりかけ。
青菜のサンボーラ:塩、黒コショウ、レモンで味つけした青菜の和え物。
ライス:日本米とバスマティライスのブレンド。

店主/古積由美子さん
店主の古積由美子さん
【オススメの食べ方】
1)青菜やココナッツのサンボーラなど、ココナッツファインを使った副菜が、スリランカでは欠かせません。
2)最初にパパダンを外して、空いた手前のスペースで、ご飯とカレー、副菜を少しずつ混ぜながら。
3)インド料理に比べて、使う油の量が少ないので、完食できます。