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〈ハルダモンカレー〉〈スパイスポスト〉〈MANTRA〉〈ゴーダカフェ〉東京の混ぜるカレー13選 Vol.2

次世代を担う大阪スパイス系からインド、ネパール、スリランカまで、「混ぜるカレー」シーンの最前線を取材。全部10店から4店をピックアップ。「〈ゼロワンカレー A.o.D〉〈MANOS〉〈FISH〉東京の混ぜるカレー13選 Vol.1」も読む。

Photo: Naoki Tani, Yasufumi Onda / Text: Yuko Saito, Kei Sasaki

ハルダモンカレー(代々木上原)

混ぜて生まれる“甘酸辛苦渋”を追求する
アーティストのカレー

エビだしとイカスミのカレーにはディルとタイム、カルダモン風味のチキンカレーにはカスリメティとオレガノ、ショウガ風味のポークには醤油漬けのショウガ。トッピングのセンスが抜群で、1種を混ぜるだけでも味と香りが転調する。「混ぜた時、“甘酸辛苦渋”全部が口の中に感じられるように作っています」と、日本酒の味を表現する5文字でカレーを語るのは店主のハルさん。

アーティストとして絵を描きながら、ホルモン、アメリカ料理、海鮮居酒屋と、多彩な飲食店で経験を積んできた。カレーは経歴を物語る、だしの旨味が生きた仕上がり。3種が混ざって生まれる旨味の海と、そこから立ち上るスパイスやハーブの香りで、“甘酸辛苦渋”を堪能されたし。

ジンジャーポークカレー:トッピングにもショウガを使った、ジンジャー2段仕込みカレー。
エビだしのイカスミシーフードカレー:エビの頭でとっただしを使用。魚だしのカレーは、前職の居酒屋から魚のアラを調達して作っている。
カルダモンチキンカレー:店名は、店主の名前とカルダモンの造語で、自筆の店のキャラクターもカルダモンがモチーフ。そして、チキンカレーにも一番多く入れているスパイス。
:豆のカレー。

店主/ハルさん
店主のハルさん
【オススメの食べ方】
1)まずは、それぞれにのったトッピングを混ぜて、1種類ずつどうぞ。
2)続いて、3種それぞれをダルと混ぜながら楽しんだら、あとはフリースタイルで最後まで。
3)海鮮居酒屋で働いていた経験を生かし、魚介だしのカレーは必ず1種、作っています。のパンチが強いのでぜひ体験してもらいたいです。

スパイスポスト(代々木公園)

「カレーは家庭料理」が身上
1,000回食べた店の味をベースに

カレーを食べるのも作るのも大好きだったという藤森信貴さんが、これだという味に出会ったのは、旅先のインドでも有名カレー店でもなく、とある酒場だというのが面白い。通うほどにカレー愛を深め、ついに店を開くに至った。

ラインナップはチキンを軸に、キーマ、ポークビンダルーの3種が定番で、時々ココナッツ系が加わる。柱となるチキンは「毎日食べられる、とがりすぎてない味」を目指し、ベジブロスと25種のスパイスでさらりと仕上げる。そこに肉々しいキーマ、辛味と酸味が立つポークビンダルーでインパクトをプラス。チキンのルーは、追加無料。
アツアツのルーを追いがけすると、スパイスの香りが再びぐっと立ち上がり、食欲に拍車がかかる。

チキンカレー:藤森さんが1,000食は食べたという酒場のカレーにインスパイアされたオリジナル。基調となるカルダモンは、さやからシードを取り出して使用。甘い香りが立つ。
キーマカレー:合い挽き肉に手切りのラム肉を加え、トマト、ヨーグルト、チャツネで水を使わず仕上げる。刺激的な唐辛子ではなく、黒コショウの香りと辛さが効いている。
ポークビンダルー:爽快な辛さにビネガー、ヨーグルトなどの酸味が合わさったパンチのある味。ニンニク、ショウガも香る。

店主/藤森信貴さん
店主の藤森信貴さん
【オススメの食べ方】
1)まずはベジブロスベースのチキンカレーを単体で味わい、キーマを混ぜ、卵黄を崩し、少しずつ結界を崩していくのがおすすめです。
2)チキンのルーを追いがけし、再び立ち上る香りを楽しんでください。
3)自家製スパイスビネガーが卓上に。お好みで味変を楽しんで。

MANTRA(高円寺)

激戦区に「辛くないカレー」
8種類の副菜も彩り鮮やか

味にもビジュアルにも圧倒的な個性をもたらしているのは、8種の副菜。季節野菜のアチャールやマリネに加え、ピザ生地を揚げたゼッポリーネまでがずらり。タイ料理店からイタリア酒場まで、さまざまな店で働いた森野竜太朗さんの型にハマらない味作りが光る。

主役のカレーは、チキンとキーマを定番に魚介やマトンなど時季替わりのおすすめを加えた3種で、いずれもじっくり炒めたタマネギのフルーティな甘味が印象的だ。マイルドなカレーとフレッシュな野菜の副菜との掛け合わせは、毎日でも食べたくなる“心地よさ”。さらに10種のトッピング(有料)を組み合わせれば、味の広がりは無限大。カレー激戦区・高円寺に新風を吹き込むニューカマーだ。

チキンカレー:クローブ、シナモンに加えコーヒー的なロースト香があるブラウンカルダモンを使用。香りに深みがある。
キーマカレー
:テンパリングしたクミンやフェネグリークなどを散らし、スパイシーな香りのアクセントを添えて。
アサリとホタテのカレー
:牡蠣料理専門店のだしカレーにインスパイアされた。
ゼッポリーネ:左から、新ジャガとパンプキンのサラダ、ウズラの卵のバルサミコピクルス、和風ザワークラウト、新ニンジンのオレンジ風味ラぺ、豆モヤシの中華アチャールほか。

店主/森野竜太朗さん
【オススメの食べ方】
1)カレー3種×副菜8種。24通り以上の味わいを楽しんでください。
2)副菜以外にトッピングも(1品¥150~)。チーズやハラペーニョピクルスのほか、スカモルツァやトリュフ香るサルシッチャなどイタリアンテイストのものも。お好みの味を見つけてください。

ゴーダカフェ(松陰神社前)

ご飯とパンを混ぜるという
衝撃の合いがけカレー参上

そりゃ、インド人もびっくりだろう。なにせ、カレーじゃなくて、炭水化物の合いがけなのだから。この衝撃作が生まれた経緯はこうだ。カフェ開業にあたり、長年カレーを学んでいた小田隆之さんは、訪れたムンバイでグリーンチャツネが入ったストリートサンドに開眼。

これをアレンジしたサンドとカレーの2枚看板で、自店を船出した。ところがある日、ご飯とカレーを混ぜてサンドにのっけたところ、発見してしまったのだ。パンに挟まれた紫タマネギとグリーンチャツネが、トマトが効いたカレーご飯と一つになって生まれる至福を。で、“出ないだろうな”とメニューにしたら、まさかの大ヒット。気を良くして、トリプル炭水化物プレートを準備中だ。

ボンベイサンド®:ムンバイのサンドイッチに欠かせない、青唐辛子やパクチーで作るグリーンチャツネと、日本人にも食べやすくアレンジしたフィリングをサンド。ちなみに、ボンベイサンド®はこのカフェの登録商標。
キーマカレー
:2日がかりで作る、トマトを効かせたポーク&ビーフのキーマカレー。普通にご飯と食べてもおいしい。
インドスナック
:スパイシーなヒヨコ豆のスナック。
ご飯
:パンがのっているのにライス大盛り無料。日本米使用。

店主の小田隆之さん
【オススメの食べ方】
1)パンとご飯。炭水化物の合いがけカレーは、たぶん世界初⁉です。
2)まずは、ご飯とカレーをよく混ぜ、カットしたサンドにのせる。
3)サンドに挟まれたタマネギ、グリーンチャツネを、カレー色に染まったご飯と。食べ切れなかった分は持ち帰れるので、家でもどうぞ。