
TRAVEL/REGION
旅と地域


【いつか行きたい、ニッポンの祭り】ダンスミュージックを求め、世界中を旅する音楽ライター・大石始が解説する。
ぼくはここ10年ほど、音楽ライターとして活動する一方で、日本各地の盆踊りや祭りを巡っている。各地を訪れるたびに「日本列島にはこれほどまでに豊かな音楽文化が息づいていたのか」と驚かされてばかりいる。会場の熱狂をコントロールする音頭取り。タイトなグルーヴを叩き出す太鼓奏者。そこでは踊り手たちが踏み鳴らすステップでさえもグルーヴの構成要素となる。 だが、盆踊りや祭りに渦巻く音楽的なおもしろさは、案外音

〈九州〉『阿蘇・高千穂』 火の国阿蘇、神の来し高千穂。 時を経ても揺るがないものを探して。

師走(十二月)『年の瀬』
108の煩悩の数だけつく除夜の鐘は、1年間の煩悩を払って新年を迎える儀式。全国数ある中でも、見応えあるのが、僧侶が17人がかりで鐘を鳴らす知恩院。かけ声のもと、親綱を持った一人が仰向けの状態で全身を使って鐘をつき、大鐘の周りでは五体投地が行われる。●京都府京都市東山区林下町400☎075・531・2111
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霜月(十一月)『冬支度』
大晦日に“年とり魚”として塩引き鮭を食べる風習がある越後村上。塩引き鮭を製造販売する〈千年鮭きっかわ〉の重厚な町屋の梁に、1,000尾以上のサケが吊された光景は圧巻。11月中旬から12月にかけて、運が良ければ目の前で仕込みの様子を見られる。●新潟県村上市大町1−20☎0254・53・2213(千年鮭きっかわ)
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神無月(十月)『紅葉』
苗場高原と田代高原を結ぶ、全長約5.5㎞、標高差約425mの日本最長のゴンドラ。片道約25分の空中散歩は雄大な平標山や、エメラルドグリーンに輝く神秘的な二居湖など見どころが多く、山麓から山頂まで紅葉のグラデーションを楽しめる。●新潟県南魚沼郡湯沢町三国202☎025・789・4117(苗場スキー場)
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葉月(八月)『祭り』
7月中旬から9月上旬の三十数夜にわたって催される、400年以上の歴史ある盆踊り。八幡町の市街地で一晩ごとに会場を移し、地元の人の輪に観光客も入って一緒に踊る。クライマックスは、8月13日~16日の『徹夜おどり』。お盆の4日間は夜明けまで踊り続ける。●岐阜県郡上市☎0575・67・1771(郡上八幡観光協会)

文月(七月)『海』
銚子市名洗町から旭市の刑部岬まで約10㎞にわたり続く、高さ40〜50mの海食崖。ドーバー海峡に面した「ホワイトクリフ(白い崖)」になぞらえて、東洋のドーバーと呼ぶ人も。隣接する銚子マリーナ海水浴場から続く遊歩道を利用すれば、間近で見学できる。夕景も美しい。☎0479・22・1544(銚子市観光協会)
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水無月(六月)『雨』
養老元(717)年、泰澄により開山。最盛期には、48社、36堂、6,000坊、僧兵8,000人を擁した宗教都市だった。「日本の道百選」に選ばれた石畳の参道をはじめ境内は一面を苔に覆われており、苔宮の名も。日本遺産にも認定。●福井県勝山市平泉寺町平泉寺56−63☎0779・87・6001(白山平泉寺歴史探遊館 まほろば)
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皐月(五月)『山の幸』
四万十川に生息する体長8~9㎝の川エビは、立派なハサミを持つことからテナガエビとも呼ばれる。小枝を束ねた仕掛けを使う伝統的な柴漬け漁が、今なお続く。川エビの漁期は5月〜9月。殻ごと唐揚げや塩焼きにすれば、頭まで丸ごと食べられる。●高知県四万十市☎0880・35・4171(四万十市観光協会)