ART

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【話題のアート】アーティスト片山真理、「歪められた美しさ」の発見。

 インターネットで「片山真理」と検索すると「両足義足のアーティスト」という言葉が、数多く目に飛び込んでくる。実際、彼女は先天的な足の病気を持って生まれ、9歳のときに両足を切断し、現在は義足で生活しながら、作品を発表し続けている。彼女の代表作は、自分自身や装飾された義足などが登場する写真と、縫い上げられた自作のオブジェやソファ、そして衣服などを組み合わせたインスタレーションであるため、「身体的ハンデ

Ghost in Labor (2020)|ロビン・フランチェスカ・ウィリアムズ

 幽霊を見たこともなけりゃ、分娩中のゴーストなんてとんでもない! ……のですが、はて、この絵の中の幽霊、何を産み落とさんとしているのでしょう。余裕の笑みとともに体をふわりと宙に浮かせてお産に挑んでいるのが、奇妙ながらも羨ましいところではありますが。さて、ロビン・フランチェスカ・ウィリアムズは1984年生まれ、ニューヨークを拠点に活動する画家です。彼女が描く人物は、どれもひと並びに同じ笑顔を浮かべて

Family (2019)|ポリーナ・バースカヤ

 ポリーナ・バースカヤは、1984年ウクライナに生まれ、幼少期にニューヨークへ移り住んだ画家です。彼女が描くほとんどの作品は、実物そっくりの本人が登場する自画像です。上の絵で描かれているのは、家族団欒の一場面。皆が母親の話に耳を傾けるなか、ポリーナはマグカップを片手にこちらを見つめています。どこを、何を、見ているのでしょう? ありますよね、こういうこと。その場がとりわけ楽しいわけでなくとも、決して

“服が被写体を変化させる”、ヨウジヤマモトを収録。|TAKAY

 イタリアのファッション誌『L'Uomo Vogue』や〈アルマーニジーンズ〉〈Y−‌3〉のワールドキャンペーンなど、ファッションシーンをベースに活躍する、写真家・TAKAY。撮影に向き合う際に意識する“服をスタイリングすることで人が被写体と化す”という感覚を色濃く表現した写真展『Fluence: The Continuance of Yohji Yamamoto』が、青山の〈Akio Nagas

人が“つくる”こととは何かを一緒に考える。|青木陵子 × 伊藤存

 人が日々の生活の中で何かを“つくる”とはどういうことなのか。青木陵子さんと伊藤存さんが長年かけて取り組んできた“つくる”の集積が、ワタリウム美術館で体感できる。ワークショップという展覧会名を見ると、何かを体験する講座のようなものを思い浮かべるかもしれないが、彼らは近年の作品制作のプロセス自体がワークショップだと語る。  本展は、2000年頃から2人で制作を続けているアニメーション作品《9才まで

Honour Dance(2020)|ケント・モンクマン

 カナダといえば、凶悪犯罪の発生率が低く安全な国というイメージがありますよね。世界でいち早く多文化主義を掲げ、移民に寛容な国の象徴でもあります。2017年に建国150周年を迎えた比較的新しい国ですが、先住民が暮らした土地を略奪した歴史を持つことは、アメリカの陰に隠れあまり知られていないのではないでしょうか? 実は、少数民族を排斥してきた人種主義はいまだ根強く残っているんだとか。国内で殺害された女性

San Quentin #1 (Angela Davis at San Quentin)(1971)|ピーター・ソウル

 誰もが知る『三匹の子豚』のお話。多くの人は子供の頃に絵本で知ったのではないでしょうか。レンガの家を造り、狼の手から逃れた子豚から学ぶのは、「手抜きをせず真面目に取り組んだ者が救われる」ということ。そんな3匹の子豚たち、上の絵ではそれぞれ「正義」「金」「権力」と書かれた帽子(英国などの大学の卒業式で被るあの四角い帽子)を頭に、恐怖の表情を浮かべています。どの子豚も血管でできた十字架に磔にされ、助か

【話題の展示】個展『NEOrient』┃44万人超が虜。写真家RKの作品の魅力とは?

 2月末現在、インスタグラムのフォロワーが44万人を超える、人気ストリートフォトグラファーがRK。彼の写真がこれほど多くの人を魅了するのは、まだ誰も見たことのない光景を、写真として見せているからだろう。それは絶景とも違う彼独自の世界観。奥行きのあるダイナミックな構図とパンフォーカス気味に撮影された被写界深度の深い写真は、手前にも奥にも絶妙な塩梅でピントが合い、色彩や陰影のコントラストを強調すること

【4月11日公開】気鋭のクリエイター・吉開菜央の“踊り”的映画作品を一挙上映!

 映画作家、また米津玄師の「Lemon」のMVでのダンスなど、ダンサー・振付家としても活躍する吉開菜央の、昨年のカンヌ国際映画祭の監督週間に正式招待された『Grand Bouquet』を含む6作品が、4月に初めて劇場公開される。  吉開の作品は、得意のダンスなどの身体表現をモチーフとし、言葉を介さず観る者の五感を強烈に刺激する。それを吉開は「情動」と表現する。 「ある雑誌で、人は“情動”がないと自

【3月20日発売】大森克己の9年ぶりの写真集は、柳家権太楼の大ネタ『心眼』。

 淡いグレーの背景の上に、ぽつんと置かれた紫色の座布団。上手から和装の男が入ってきてその上に座ると、深々とお辞儀をしておもむろに話し始める。右を向き、左を向き、笑ったり泣いたり、急に怒りだしたり、優しく諭したり……。いつの間にか食い入るように男の顔を見つめている自分に気づく。  写真家・大森克己による新しい写真集『心眼 柳家権太楼』。震災後に自宅付近から福島へと旅に出て撮った前作『すべては初めて

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