『写真よさようなら』は写真史における金字塔。|マーティン・パー

 僕にとっての森山大道の最高傑作は、『写真よさようなら』だね。仮に僕が森山だったとして、天国の門をくぐるのに番人に見せるのはこれだと思っている。ベストだからさ。  あの本を1980年代末に神保町の書店で初めて見た時は、目からウロコだった。「写真集の方が何倍もいいじゃないか」と、それまでよく見ていたシャーカフスキーらの展覧会カタログをののしったよ(笑)。  一番感動した部分は、ネガとプリントを壊した

家の一部になっていて、毎日そこにあるものです。|阿部潤一

 自宅を建てる時に何か一つ家に飾る作品が欲しいと思い、森山さんの写真を購入しました。美術館ではなく家に飾るものなので、毎日見ていて飽きなくて、いつもそこにあるといいと思える作品を探していたんです。サイの写真は、コントラストが強くて、写真と絵の間のような感じがちょうどいいと思いました。写真を飾っているリビングダイニングにある机は、娘の勉強机と化していて、彼女は帰宅するとずっとここにいます。最初はサイ

光の強度=存在の強度の独自世界を持ち得た人。|平野啓一郎

 森山写真を強く意識するようになったのは、2004年から1年ほどパリに滞在していた時。その少し前にカルティエ現代美術財団で個展が開かれたこともあり、周囲では話題の的だったんです。パリの街中で、ポスターなどで見かけるその作品は、日本で見るのとはまた違う強烈な存在感を放っていたのを覚えています。20世紀後半の美術を語る時のキーワードになるのは“かっこいい”だと僕は思うんです。定義の難しい言葉ですが、森

独特の構図にあの粒子が加わり、森山大道節になる。|北村信彦

 オフィスに置いてある作品は、2004年にヒステリックグラマー渋谷店で開催した『NEOGRAPHY』展で作成したものです。ある日、森山さんが何か違うことをやりたいと、シルクスクリーンの展示を行うことになりました。初期のハーレーのシルクスクリーンを見ていたし、ウォーホルの影響についても聞いていたので、キタなと思いました。  森山さんというと、ノーファインダーなイメージがあるように思えますが、実際はも

世界に一冊だけ。私が作った森山写真集。|スザーン・シャヒーン

 この本は、2011年にNYで開かれたイベント『プリンティングショー』で作ったものです。用意された森山さんの写真のコピーを参加者がそれぞれセレクトし、編集して自分だけの森山写真集『TKY』を制作するという楽しい企画で、人生の中でも屈指のアート体験となりました。目の前で森山さんご本人もコピーを取っていらして(笑)。イベント体験をモノとして持ち帰ることができる、というのも貴重ですね。  この本で最も気

『ナショナル・ジオグラフィック』は星野道夫をどう評価していたのか。

自然フォトジャーナリズムの世界的権威、『ナショナル・ジオグラフィック』 誌。128年もの長い歴史において、星野道夫は作品が特集として掲載された数少ない日本人写真家の一人である。彼はいかに見出されたのか、そしてどんな足跡を残したのか。当時の担当編集者をコネチカットに訪ねて話を聞いた。

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